本記事では、
- そもそも休眠期とはなんなのか?
- 休眠させる、させない方法とそれぞれの管理の違い
について解説いたします。
尚、この記事の内容は動画でもご紹介しております。
そもそも休眠期とはなんなのか?
休眠期を簡単にご説明すると、「その植物の生育に適さない時期」を指します。
アガベを例にして考えるとアガベの自生地はアメリカ南西部やメキシコを含む中米・南米などが中心になります。
例えば、チタノタが自生しているメキシコのオアハカの気候は、年間を通して暖かく、気温は 9°Cから 31°Cに変化しますが、5°C 未満または 34°C を超えることは滅多にないと言われています。
そこで東京を例にしてオアハカの気候と比較してみましょう。
最高気温の差はないにせよ、東京の夏の最低気温はオアハカと比べると高く、アガベにとって非常に暑い環境であること、逆に冬は東京の最高気温がオアハカの最低気温程度までしか上がらないため、非常に寒い環境です。
また湿度も常に乾燥した環境のオアハカと比べると6月から10月半ば頃まで雨の多い梅雨や湿度の高い夏のある東京はとんでもなく不快な時期になります。
このようにアガベの自生地と日本の環境は大きく異なります。
つまり、この環境の違いにより日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍り生長が止まります。
この時期のことを「休眠期」といいます。
品種によって暑さ・寒さの耐性は異なりますが全般的に見れば15度から30度程度がアガベの生育適温と言われていますので、真夏や真冬は生育が止まり(鈍くなり)ます。
逆に春や秋はアガベにとっても快適な気候であり、この時期が生長期になります。
つまり、冬場や夏場だろうがアガベの生育に適した温度さえ整えれば休眠期に入らず、生長を続けることになります。
休眠させる、させない方法は?
休眠させるか、させないかは前述したように【温度】をどうするかによります。
冬になると多くの方が室内に取り込むと思います。
その室内が冬場もエアコンで暖かくしていればアガベは休眠せずに成長しますし、エアコンのない部屋など室温が低い場所に置いておけば休眠状態に入ります。
つまり、冬場も成長を続けさせたいのであれば温度管理ができる部屋におき、イヤイヤ冬は寝かせたいよというのであれば変に暖かい場所におくと成長を続けてしまいますので、廊下や玄関などに置いておいた方が良いと言えます。
もしくは耐寒性を下回るような気温にならないのであれば霜や雨の当たらない軒下でもいいかと思います。
それぞれの管理の違い
まず暖かい環境に置き、そのまま成長を続けさせるという場合は通常管理で問題ありません。
当然室内では光が足りませんので、育成ライトは必要になります。
また成長を続けている以上水やりも必要になりますので、土が乾いたらたっぷりと与えるといういつもメリハリのある管理を続けます。
風も成長には必要な要素なのでサーキュレーターなどを使って空気を動かし、アガベが呼吸できるようにします。
1番やってはいけないのが、成長を続ける中で光が足りなくなることです。
その状態で水やりを続ければ徒長の原因になります。
続いて休眠させる株についてです。
実は休眠状態といっても完全に活動が止まっているわけではなく、来春の展開に向けて内部でエネルギーを蓄えています。
そのためいくら休眠状態の株とは言え、光は必要になります。
この時期に光をしっかりと当てていたか、いなかったかで暖かくなってから展開する葉に差が出ます。
よく日に当てていた株は肉厚で短葉の健康的な葉が出てきますが、日照不足だった株はヒョロヒョロとした貧弱な葉が出てきてしまいます。
そのため可能であれば休眠状態の株も育成ライトなどを使ってしっかりと光を当てる、もしくは暖かい日中は外に出し日光浴させると良いかと思います。
水やりに関しては生育が止まっている状態で水やりを行うと根腐れなどを起こすほか、吸って葉に蓄えられた水分が寒さにあたり傷む可能性があるので基本的には水やりはほぼ必要ありません。
ただ寒さに強いアガベであれば水を欲するので月に1、2回程度軽く湿らす程度に与える必要があるかと思います。
寒さに弱い品種はほぼ断水で問題ありません。
まとめ
今回は休眠期とはなんなのか?休眠させる、させない方法とそれぞれの管理の違いについてお話ししました。
今回の内容をもう一度まとめると、
- 休眠期とは植物の生育に適さない時期のこと
- 温度のあるなしで、休眠するかしないかが決まる
- 暖かい部屋で管理する場合は通常管理を行う
- 休眠させる場合は光は必要だか、水やりはほぼ必要ない
になります。