この記事ではアガベの病気対策として予防や治療に使える基本的な殺菌剤とその使い方について解説します。
こんな方におすすめの記事です。
- ベアルート株の殺菌・消毒方法が知りたい
- 病気の予防のために殺菌剤を初めて使用する
- 炭疽病などの病気にかかってしまった場合の治療法が知りたい
今回はあくまで基本的な使い方ですので、ホームセンターで手に入る2つの薬剤を例にしてご紹介していきます。
ご紹介するのは、
- ベンレート水和剤
- ダコニール1000
の2種になります。
どちらもホームセンターに行けば大抵置いてあり、サイズも小さいので使いやすいと思います。
ただ農薬であることには変わりはありませんので必ず説明書をよく読み、用法・容量を守って使用してください。
また、薬剤を使用する場合は自己責任でお願いいたします。
この記事の内容は動画でもご紹介しています。
ベンレート水和剤とダコニール1000の違い
アガベの栽培を始めて殺菌剤としてよく名前を聞くのが、ベンレート水和剤とダコニール1000だと思います。
まずどちらを使えば良いのか分からないと思うので、それぞれの違いをご説明します。
まず大前提としての違いが使用目的です。
販売元の住友化学園芸のサイトを見ると、
- ダコニールが予防殺菌剤
- ベンレートが治療殺菌剤
として分けられています。
予防殺菌剤はその名の通り、薬剤を散布し植物を薬剤で覆うことにより、葉の表面に付着している、または飛んできた病原体を退治する薬剤で予防効果に優れます。
すでに植物の内に入ってしまった病原体に効果はありません。
一方治療薬は、薬の成分が葉の中に浸透し、既に侵入した病原体まで退治する浸達性の薬剤となっています。
ただ、ベンレートにも予防効果はあるので、予防目的であればどちらを使用しても問題ないと思います。
その他の違い
その他の違いとしては、薬剤の形状です。
ベンレートが粉末タイプなのに対し、ダコニールは液状です。
どちらも希釈して使うので、そのことを考えると液体タイプのダコニールの方が扱いやすいかなと思います。
予防で使用する場合は実際に使ってみて使いやすい方を選んでください。
また、今後薬剤を使用し続けるということであれば、薬剤に耐性をつけさせないためにローテーション散布が必要になってきます。
作用系統の異なる数種類の殺菌剤を用意し、散布の度に違う系統の薬剤を散布すること
系統の違う殺菌剤を使うことで出現した耐性菌を違う作用で防除し、耐性菌を増やさない散布方法になります。
今回はあくまで基本的な使い方ですので、今後使い続けていく中で、ご自身の環境にあった薬剤のローテーションを作ってみてください。
ベンレート水和剤の希釈率について
個人的には最近ベアルート株を殺菌する際にベンレートを使用していますので、ここからはベンレートを使ってご説明します。
希釈率についてですが、人により変わってくるとは思いますが、まずは標準的な2,000倍で行うことをおすすめします。
ベンレート、そしてダコニールもですがそもそもアガベを含む多肉植物への使用を目的として作られているわけではないので、薬害発生などはすべて自己責任になります。
そのためまずは標準的な2,000倍程度から始め状態を見てみることをおすすめします。
または部分的に使ってみて問題なければご自身の環境にあった希釈率を探っていけば良いと思います。
一般的に手に入る小包装されたベンレートは水和剤には一袋につき、0.5gの薬剤が入っています。
説明書に書いてありますが、1.0ℓの水に対し0.5g(一袋)の薬剤を混ぜることで2,000倍の散布液を作ることができます。
分かりやすくて良いですが、作った散布液は保存ができないので注意が必要です。
業者でもない限り一般のご家庭で1ℓの散布液を使い切るのは中々難しいと思います。
そこでおすすめなのが、500mlのペットボトルに半分だけ薬剤を入れて使用することです。
(それでも多いかもしれませんが…)
100均などでペットボトルに使えるノズルが売っているので、それを使えばそのまま使用できるので便利です。
ベンレートを使った散布剤の作り方
ここでは目盛りのある1ℓタイプのスプレーを今回使用します。
散布剤の作り方の順番は以下の通りです。
- 水を必要分入れる。
- 展着剤を入れる。
- 殺菌剤(ベンレート or ダコニール)
展着剤は簡単にいえば、薬剤を植物にしっかりと付着させるための薬です。
殺菌剤だけだと、薬剤が弾かれたり付着してもすぐに流れたりして効果を得られません。
そこで展着剤を使用することで水を弾いてしまう植物でも薬剤が付着しやすくなり充分な効果が得られるようになります。
ここではこれもホームセンターで手に入る「ダイン」という展着剤を用意しました。
展着剤も決められた所定量があるので、必ず説明書をよく読み、使うようにしてください。
ちなみにダインは1ℓあたり0.1〜0.3ml程度が所定量となります。
まずは水を入れ、展着剤を入れてから、最後に殺菌剤を入れます。
展着剤を入れたら、一旦よくかき混ぜます。
そして殺菌剤を入れて再度かき混ぜれば散布液が完成します。
薬剤の散布方法
散布の際の注意点としては、強風時や高温時を避け、風のない朝晩が推奨されています。
また、お子さんやペットがいないところ、日常生活品などにかからないように周りに注意して散布してください。
散布量としては、葉先から薬剤が滴り落ちる直前程度が1番効果を得られると言われています。
また、むらが出ないように葉の裏までしっかりと散布します。
散布後は風通しの良い場所におき、しっかりと乾燥させてください。
まとめ
今回はアガベを病気から守るための基本的な殺菌と消毒方法をご紹介しました。
用法・容量を守りつつ、大事なアガベが病気にならないように定期的に散布してください。