本記事では、Ceraria pygmaea(ケラリア・ピグマエア)(以下、ピグマエア)の特徴・魅力・育て方をご紹介いたします。
茶色くひび割れた塊根部から枝を伸ばし、その枝からは多肉質で可愛らしい葉を展開するピグマエア。
そのユニークな株姿はとても魅力的で多くのコーデックスファンを虜にしています。
今回はそんな人気のコーデックスである「ケラリア・ピグマエア」がどんな植物なのか、また特徴や魅力、そして基本的な育て方をみていきたいと思います。
本記事の内容はYouTubeでもご紹介しております。
ケラリア・ピグマエアはどんな植物
まずはピグマエアがどんな植物なのかご紹介いたします。
ピグマエアはスベリヒユ科ケラリア属に属する春・秋型のコーデックスです。
海外の文献を見ていると今はケラリア属ではなく、Portulacaria(ポーチュラカリア)属と呼ばれているそうですが、はっきりとした情報が分からないので今回はケラリア属として扱います。
原産地は、南アフリカの北ケープ州にあるリフタスフェルト(Richtersveld)と呼ばれる砂漠地帯に隣接するナミビア領のオレンジ川下流域周辺にのみ生息する植物です。
Richtersveldはゴツゴツとした峡谷や高い山々のある砂漠地帯であり、そんな場所の標高50~450mの峡谷の岩場や斜面などで自生しています。
種小名のpygmaeaはその小さな株姿からギリシャ神話に登場する小人族のピグミー(Pygmy)に由来し、「矮小な・小さな」という意味があります。
別名では先ほどお伝えしたPortulacaria(ポーチュラカリア)と合わせてpygmy porkbushなんて呼ばれています。
実際大きくなっても多くの場合、塊茎で10cm程度、枝を含めても30cm程度、樹高も20cm程度しか大きくなりません。
また生長も非常に遅いので、そう簡単に大きくなりません。
このように小さく可愛らしい株姿が多くの多肉植物愛好家を魅了し昔から人気があります。
ケラリア・ピグマエアの特徴・魅力
続いてピグマエアの特徴や魅力をみていきましょう。
ピグマエアは矮性でコンパクトな塊茎を持ち、その幹肌は赤褐色でひび割れています。
その塊茎からは枝が展開し、多肉質で楕円型の葉を付けます。
葉は光沢のある緑色で、乾燥すると赤みを持ち、シワが入ります。
名前の通り小さく可愛らしい株姿が魅力ですが、小さいながらもその姿はある意味完成していて、極太の幹に多肉質な葉を多く茂らせる姿はサイズ以上の存在感があります。
またひび割れた幹肌とそこから伸びる枝振りは古木のような雰囲気があり、お気に入りの鉢に入れれば盆栽のように楽しめます。
形状は様々で、平べったい扁平型の株もあれば、樽型のでっぷりとした株、はたまた比較的枝を長く伸ばす個体など様々です。
当然ですが同じ形の株は一つとしてないので、好みの形を選ぶのも楽しいですし、異なる特徴を持つ個体を集めたくなるコレクション性もあるコーデックスだと思います。
また雌雄異株なので雄株と雌株を揃えて受粉させ種を採取するのも面白いと思います。
このように鑑賞はもちろん、育成も楽しめる植物ですので、ぜひお気に入りの一株を探してみてください。
ケラリア・ピグマエアの育て方
最後にピグマエアの基本的な育て方をご紹介いたします。
育成本などを見ると秋〜春に生長する冬型のコーデックスとして扱われることが多いですが、寒い冬は苦手です。
真夏も生育が鈍るので春と秋がピグマエアの日本でのベストシーズンだと思います。
実際みていると日中暖かく、そして朝晩が涼しいという寒暖差のあるシーズンが特に動きが良いようです。
なのでぼくの場合は、春と秋は屋外のよく陽の当たる場所で管理し、夏の暑さと陽射しは強すぎるので遮光下に置き、冬場は室内という管理にしています。
いずれにせよ蒸れが苦手なので、風通しの良い環境を整えてあげてください。
水やりに関しては、乾燥には強いですし根がとても繊細なのであまり多くの水やりは必要ありません。
生長期は土が乾いたら与え、休眠期は根が枯れない程度に月に数回軽く与えると良いかと思います。
一つの目安としてはシワが入り赤くなってきたら、水やりが必要なサインになります。
過度な水やりは根腐れのリスクがありますので、水やりは少し気をつけてあげるのと、排水性が高く乾きやすい土を使うこと、また用土が乾きにくくなるので株に対して大きすぎる鉢はおすすめしません。
水やりには少し気を付ける必要がありますが、あとは特に難しい植物ではありません。
最後に
今回は「ケラリア・ピグマエア」をご紹介しました。
ピグマエアはサイズ的にもご自宅で管理しやすいと思いますし、見た目も多肉植物らしく鑑賞も楽しめるコーデックスですので、ぜひお気に入りの一株を探してみてください。