本記事では冬型コーデックスからPelargonium mirabile(ペラルゴニウム・ミラビレ)をご紹介いたします。
記事の内容は、Pelargonium mirabile(ペラルゴニウム・ミラビレ)が、どんな植物なのか、どんな特徴や魅力があるのか、また基本的な育て方になります。
この記事の内容はYouTubeでもご紹介しております。
Pelargonium mirabileはどんな植物
まずはPelargonium mirabile(以下、ミラビレ)がどんな植物なのかご紹介いたします。
ミラビレはフウロソウ科ペラルゴニウム属に分類される冬型のコーデックスになります。
属名の【pelargo】はギリシャ語のコウノトリを意味し、果実の形状がコウノトリのクチバシに似ていることから名付けられたと言われています。
ちなみにガーデニングなどでよく見かけるゼラニウムもペラルゴニウムの仲間です。
種小名の【mirabille】はラテン語で不思議な・素晴らしいという意味を持ち、冒頭でもお伝えしましたが、この独特な樹形に相応しい名前だと思います。
ペラルゴニウム属自体は世界中の熱帯・温帯地域と幅広く分布していますが、その多くがアフリカ南部また東部に自生しています。
種類も多く、一年草からこのミラビレのような低木、またツル状のものなど様々あります。
その中でも南アフリカのナミビアの冬季降雨地帯に自生し、幹や枝が肥大化するものをペラルゴニウムの中でコーデックスとして栽培されています。
ミラビレはナミビアのKaras(カラス)州Luferiz(リューデリッツ)が原産で、沿岸部のナミブ砂漠にある赤い山(Rot kuppe)と呼ばれる岩場などで強い日差しを浴びて自生しています。
生長は非常に遅く、コーデックスとして親しまれるペラルゴニウムの多くは涼しい気候を好み夏季は休眠します。
自生している場所の気候までは分かりませんが、ナミビアのリューデリッツは暑くても24度程度と一年を通して涼しい地域なので、日本のような蒸し暑い夏は苦手で、休眠期は葉を落としてまた水を吸わずじっと耐えています。
Pelargonium mirabileの特徴・魅力
続いてミラビレの特徴や魅力をみていきましょう。
ミラビレは珊瑚のような独特な樹形と濃いブラウンカラーの表皮が特徴的なコーデックスで、生長期になるとシルバーグリーンの美しい葉を展開します。
葉の輪郭はウネリがありつつ表面にはうっすらと微毛があり、ベルベットのような見た目また風合いをしています。
この茶色の表皮から伸びるシルバーグリーンの葉色のコントラストがとても魅力的で、まるでチョコミントのような色合いです。
一方葉がなくなるとその色とゴツゴツとして見た目からかりんとうと揶揄されることもあります。
また葉が落ち始め、休眠前になると濃いピンク色の花を咲かせることがあります。
先ほどもお伝えしたように生長は非常に遅く、根も細く繊細なので若干管理が難しいこともありますが、盆栽のような見た目からコーデックスの中でも特に人気のある植物です。
Pelargonium mirabileの育て方
最後にミラビレの基本的な育て方をご紹介いたします。
自生地でお伝えしたように特に遮るものがない場所で強い陽射しと風を受けて自生している植物なので生長期の秋から春はしっかりと太陽光に当て、風通しも良い場所で管理します。
暖かい地域かつ雨や霜、また雪などに当たらない場所であれば冬場も屋外で越冬可能ですが、冬型と言えどあまりに寒くなる場合、また雪が降り積もるような寒冷地では室内に取り込み育成ライトを使って室内管理に切り替えた方が安心です。
ざっくりですが、5度を下回るようになってきたら室内に取り込んだ方が良いかと思います。
水やりに関しては乾燥した地域に自生しているので頻繁な灌水は必要ありませんので、生長期はしっかりと乾燥させてから水やりをします。
休眠期は断水気味で問題ありませんが、根がとても細いのでぼくは月に数回少量の水を与え細根が枯れないようにしています。
生長期になるとこのように葉を展開し始めますので、そのタイミングで水やりを再開し、また生長期の管理に切り替えます。
ただ休眠明けに急に大量の水を与えるとダメになる可能性があるので、徐々に増やしていくと安心です。
また枝も繊細で折れやすいですが、折れた枝でこんな感じで挿木もできますので、増やすこともできます。
最後に
今回は冬型コーデックス「Pelargonium mirabile」をご紹介しました。
冬型コーデックス代表種の一つとして人気のあるコーデックスですのでぜひ皆さまも育ててみてください。
樹形も様々ありますので、きっとお気に入りの一株が見つかると思います。