本記事では葉焼けが起きるメカニズムからその対策を考えいきます。
原因を考えたときに真っ先に考えられるのが「強い光」だと思います。
ではなぜ強い光に当たると葉焼けを起こすのでしょうか?
「暗い場所から急に明るい場所に移したからでしょ?」
とお分かりになる方もいらっしゃると思います。
ではなぜ急に当ててはいけないのでしょうか?
今日はこのようになぜ葉焼けが起きるのかを突き詰めていきます。
葉焼けのメカニズムを知ることで対策はもちろん、植物との関係をより密にできると思いますので、気になる方はぜひご覧ください。
この記事は動画でもご紹介しています。
葉焼けが起きるメカニズムと対策
まず葉焼けが起きるメカニズムをご説明し、そこから対策をお伝えしていきます。
植物が葉焼けを起こす原因はいくつかあると言われていますが今回は、
- 強い光(太陽光だけなく植物育成ライトも含む)
- 温度
の2つに絞ってお話しさせていただきます。
それぞれがなぜ葉焼けに繋がるのか、そして葉焼けを起こさないためにはどうすれば良いのかを解説します。
強い光
では強い光に当てた場合に葉焼けを起こすメカニズムについてお話しします。
「植物は光を浴びて光合成を行っている」ということは誰もが知ることだと思います。
ただ実は植物が吸収できる光の量には限度があります。
光合成に必要な光エネルギー以上の光は余ってしまい、「活性酸素」というものが発生します。
この活性酸素は植物にとって有害なものです。
例えば、活性酸素が発生することで、
- 葉緑体を分解する
- 細胞内の遺伝子変化を起こす
など色々悪さを働きます。
結果、細胞は死んでしまい葉が部分的に変色したり、枯れる…という葉焼けの症状が出てきます。
通常であれば植物はこの活性酸素を除去する酵素を持っていると言われています。
ただ、水やりを忘れたり、アガベなどであれば作り込むために水を絞ったりなど水不足というストレスを与えると光合成ができなくなり、活性酸素の除去が追いつかなくなります。
※ミネラル過多も原因の一つらしい。
そのため、水不足の状態で強い光を当てるというのは葉焼けを起こす原因へと繋がっていきます。
植物を栽培するのに大事なのは水と光(加えて風)のバランスです。
特に植物育成ライトを使って室内で管理している方は、強い光をガンガン当てていながら水やりの回数が少ないという方が多いと思います。
光だけが強いというのは植物にとってはストレスを感じることなので、水と風のバランスを意識した照射が大事になってきます。
前述の通り、アガベを育てている方は作り込むために水を切っているという方が多いと思うので、その場合は光も合わせて弱くする・風もしっかり循環させるということも必要になるかなと思います。
温度
続いて温度についてです。
吸収できる光の量に限度があるように、温度にも限度があります。
植物が耐えられる限界温度を突破すると、細胞が弱る、最悪枯れるということに繋がります。
急に強い光に当てると葉焼けを起こすというのはこれが主な原因になります。
急に強い日差しやライトの光に当てることで葉の温度が一気に上がり細胞が死に葉焼けを起こしてしまいます。
通常植物は1日の温度変化や日の動きに合わせて暑さへの耐性を身につけていると言われています。
屋外で自生している植物(特に高温の地域で自生している植物)が葉焼けを起こさないのはそういった理由からきています。
ただ逆に温度が低すぎることも葉焼けの原因に繋がります。
光合成はある程度温度が高い方がスムーズに行われるので、温度が低いとこれもまた光エネルギーが余り「葉焼け」が起きやすくなると言われています。
これの対策としては、当たり前のことですが、急に強い光に当てないこと、そして植物ごとの適切な温度を保つことになります。
まとめ
本記事では葉焼けが起きるメカニズムからその対策を解説しました。
メカニズムを知ることで、より対策を考えやすくなったのではないでしょうか。
この記事が植物栽培の何かの参考になると嬉しいです。
今回参考にさせていただいた資料は下記にまとめています。
気になる方は合わせてご覧ください。
参考文献