一口に観葉植物といってもその種類は沢山あります。
自生環境も様々で、乾燥した地域で生育しているものや、ジメジメとした環境で生育しているもの、もしくは他の植物にくっ付いて生育する着生植物も存在します。
このように多くの種類が存在する観葉植物には、”それぞれに適した育て方”があります。
土はその中でも特に重要な役割を担っています。
土がなければ栄養分を吸収する事も、水を吸収する事も出来ません。
小さい鉢の中で育つ観葉植物にとって、それぞれの性質に合わない土を使ってしまうと、今後の成長に大きく影響を与えてしまいます。
Contents
観葉植物の土の種類
培養土
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観葉植物全般に使える万能型の土です。
すでにパーライトやバーミキュライトなどの土が適量ブレンドされおり、肥料も含んでいるので、買ってすぐに使用できます。
市販されているものの多くの培養土は排水性・保水性・通気性に優れています。
『どの土を使えば良いのか分からない』という方や初めて植え替えを行う方にお勧めの土です。
赤玉土
赤玉土は関東ローム層から採取された赤土を使用した弱酸性の土で、排水性・保水性に優れています。
採取した赤土を乾燥させ、大・中・小・細粒とサイズごとに分けられ販売され、植物に合わせて粒のサイズを選ぶ事が出来ます。
また、市販されている培養土とは異なり無機質の土であり、菌が繁殖しにくくなっている他、肥料成分も入っていないので、挿し木用土としても使い勝手の良い土です。
価格もリーズナブルであり、弱酸性の為多くの植物に使用できることから多くのガーデニング愛好家から重宝されています。
欠点としては、土が崩れやすいので詰まってしまうと排水性が逆に悪くなってしまうので、定期的に土を入れ替える事が必要です。
鹿沼土
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鹿沼土は栃木県の鹿沼地方で採取された酸性の土です。
赤城山が噴火した際の火山灰が風化したもので、土と呼ばれていますが、実際は軽石の仲間です。
酸性を好む植物に対して使用します。
粒子はとても粗く丸みを帯びており、保水性・排水性・通気性に優れています。
赤玉土と同様に大粒・中粒・小粒・細粒とサイズが分かれており、それぞれ用途が異なります。
赤玉土と使い方は似ていますが、酸性度が強い分、植物が好む土壌に合わせて使い分ける事が必要です。
鹿沼土は水切れを教えてくれる優れモノ
鹿沼土は、水をかけると黄色く変色する性質があります。それを目印にして水やりのタイミングを計る事も出来ます!
バーミキュライト
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バーミキュライトは、蛭石を700度もの高温で焼いて作られた無菌の用土です。
和名での正式名称は、“苦土蛭石”と呼ばれます。
苦土蛭石は鉱石の一種で、酸化ケイ素・酸化マグネシウム・酸化アルミニウムを主成分としている”中性”の土です。
園芸用土として土壌改良用の土や、種まき用、挿し木用など幅広い用途に使われています。
肥料成分はほとんどなく、無菌である為、病気や菌に弱い、種の発芽用や挿し木用の土として優れています。
バーミキュライトだけでも排水性と保水性があり単体で使用できますが、多くの場合、他の用土とブレンドして使用します。
肥料と混ぜると保肥性が増し、とても軽いので他の土に混ぜる事で軽量化する事も出来ます。
ピートモス
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湿地帯で堆積し腐食化した水ゴケを、炭化・粉砕し乾燥させた物を“ピートモス”と呼びます。
バーミキュライトと同じく、土壌改良用土として使われる事が多いです。
ピートモスの特徴は、保水性・通気性に優れている事、そして“酸性濃度が高い”事です。
保水力に関しては、体積の数倍の水を貯える事が出来るほどです。
その特徴を活かして、他の用土とブレンドする事で保水性・通気性を向上させる事が出来ます。
種まきの際によく使用されるピートバンはピートモスを素に作られています!
また、土壌を酸性寄りの土に改良する効果もあります。
・ピートモスを使用した後は、酸性度が強くなってしまう事があるので、土壌測定器や酸度調整剤を使って必ず調整しましょう!
・水持ちがとても良いので、乾燥を好む植物への使用は控えましょう。
腐葉土
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自然界の広葉落葉樹の葉や枝が落ち、バクテリアによって長い年月をかけて土に変化した物を腐葉土と呼びます。
市販されている腐葉土の多くは人工的に作られたものです。
用途としては、植物が成長する際の有機質(栄養分)を多く含んでいる為、堆肥として使用される事が多いです。
使い勝手の良い腐葉土ですが、腐葉土だけでは植物は成長出来ません。
比率として、腐葉土の使用は30%までに抑えます。
また、腐葉土を混ぜる事で通気性・保水性・保肥性が増すので、土壌改良土としても活躍します。
その他にもマルチング効果期待出来ます。
マルチングとは
ビニールなどを土の上に敷く事で、冷気や雪、雨などから作物を守る他、遮光としても効果があり、強い日差しが苦手な植物にも有効な手段
軽石
火山の噴火の際に流れ出たマグマが冷えて固まったものを原料として作られているのが軽石です。
その名の通りとても軽く、水に入れても浮くほど軽量です。
その為、別名では浮石とも呼ばれています。
大きな軽石は、排水性を高める為の鉢底石として使用される事が多いです。
用土として使用すると通気性を高める効果も期待できるので、他の用土(赤玉土の小粒など)と混ぜて使用する事も出来ます。
多くの種類が存在し、先ほどご紹介した、“鹿沼土”も軽石の仲間です。
その他の軽石の仲間
・日向土
火山灰から生まれた宮城県都城市周辺で採取される軽石の仲間です。
ボラ土とも呼ばれる中性の土。
・富士砂
富士山周辺で採取される軽石の仲間。
鉄分を多く含み、黒っぽい色をしています。
通気性・排水性に優れ、主に山野草や盆栽、オモトなどに使用されます。
また、その色を活かした化粧砂としても有名です。
・十和田砂
青森県十和田地方で採取される軽石の仲間。
保水性にとても優れている一方、不要な水分を排出するという効果もあります。
・蝦夷砂
北海道日高地方で採取される軽石の仲間。
吸収性・排水性に優れ、欄や山野草などの栽培に適しています。
・桐生砂
群馬県桐生地方で採取される軽石の仲間。
通気性・排水性に優れており、他の軽石と比べると堅固なのが特徴です。
盆栽や最近では、赤玉土と混ぜて多肉植物などにも使用されています。
川砂
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水底や河川敷にある砂を川砂と呼びます。
単体で使用する事はなく、赤玉土や鹿沼土と混ぜて使用する場合が多いです。
川砂を混ぜる事で排水性を高める効果を期待できます。
水はけの良い土壌を好む、多肉植物やサボテン、盆栽などの栽培に適しています。
また、無機質であり肥料分もないので、挿し木用土としても使用出来ます。
水ゴケ
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自然界に自生しているミズゴケ科の植物を採取し、乾燥させ、ブロック状にしたものを水ゴケと呼びます。
吸水性と保水性が高く、主に、植え込み用土として使用されます。
水に溶かして使用し、ランなどの用土として単体でも使用する事も可能です。
インテリアバーグ
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樹皮を加工し、用土や根茎を覆う為に作られたインテリアアイテムです。
腐葉土と同様に土の上に敷く事で、マルチング効果も期待できます。
一方、過湿気味になり虫がわく事があるので定期的に入れ替える事をおすすめします。
ハイドロボール
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最近人気の土を使わない栽培方法として“ハイドロカルチャー”があります。
そこでよく使われるのがハイドロボールです。
粘土を固めた小石程度の粒で、ボールの中に空気室を持ち、そこに水や酸素を蓄える事が出来るので、密閉された鉢や容器の中でも植物に酸素と水分を供給する事が出来ます。
清潔感があり、見た目も良いので、最近注目を集めています。
観葉植物の土の匂いが苦手な方にもお勧めです。
まとめ
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市販の培養土を使ってしまえば一番楽で簡単ですが、自分でブレンドした土を使って育てた植物はより愛着が持てますし、観葉植物栽培が断然楽しくなります!
そして適した用土を使用する事で、植物はより元気に生き生き成長してくれます。