今回ご紹介する方法は、「薬剤を使用しない」方法になります。
万が一コバエが発生してしまった場合、1番手っ取り早く駆除する方法は薬剤を使用することです。
最近は、スプレータイプのものでワンプッシュでコバエを退治出来る優れた殺虫剤なども販売されています。
とはいえ、薬剤の使用に抵抗を感じる方も多いと思います。
- ペットがいる場合
- 喘息やアレルギーをお持ちの場合
- 妊婦さんがいる場合
など、薬剤を使用をおすすめできないケースも多々あります。
そこで今回は、薬剤を使用せずにコバエを退治する方法を解説していきます。
Contents
観葉植物にコバエが発生する原因
まずは、なぜコバエが観葉植物に発生するのか、原因を知ることが大事です。
原因を知ることで予防策や駆除の方法が見えてきます。
コバエが発生するのは、外部から侵入し、繁殖するケースががほとんどです。
ではなぜコバエは観葉植物に集まってくるかというと、
- 有機培養土・有機肥料
- 受け皿に溜まった水
がコバエの繁殖に適した環境だからです。
原因1 有機培養土・有機肥料で繁殖するケース
腐葉土やバーク堆肥などの有機資材は植物の成長を促しますが、 一方でコバエや幼虫のエサにもなります。
有機資材を使用することでコバエが土の中に卵を産みつけ繁殖します。
原因2 受け皿に溜まった水を放置することで繁殖するケース
観葉植物から排出された汚れを含んだ水が溜まる受け皿も コバエの格好の繁殖場所になります。
水を捨てないでいると、そこに卵を卵を産みつけられます。
観葉植物に湧くコバエの種類
観葉植物に湧くコバエは主に以下の2種類です。
- キノコバエ類
- チョウバエ類
それぞれ繁殖環境が異なり、それに伴って予防や駆除の方法も変わってきますので、それぞれのハエの特徴をご説明します。
キノコバエ類
キノコバエは前述した観葉植物の土に使われる有機資材に集まり繁殖します。
体長は体長は1~2mm程で観葉植物の土の中に卵を産みます。
網戸や壁のわずかな隙間を通り抜けることができるほど小さいハエです。
そのため、「家の中で管理していたのにいつの間にかコバエが湧いてしまった…」なんてことも多々あります。
チョウバエ類
チョウバエは水垢などが溜まった汚れた水を好み、卵を産み繁殖します。
体長は体長は1~5mmと、こちらもとても小さいハエです。
チョウバエが発生している場合は、こまめに受け皿の水を捨てることが大事になってきます。
観葉植物に湧くコバエの予防と駆除の方法
ではここからは実際にコバエの予防と駆除の方法について解説します。
前述の通り、チョウバエの予防と駆除の方法は何より受け皿に溜まった水をこまめに捨てることです。
そのためここでご紹介する予防・駆除の方法は、「キノコバエ」に向けての話になります。
キノコバエの予防と駆除の方法は以下の通りです。
- 木酢液を使う
- 殺菌消毒済みの培養土・水はけの良い土を選ぶ
- 土の表面に無機質の土を敷く
- 有機肥料ではなく化成肥料を使う
- 過湿状態を避ける
- 水はけを良くし、風通しのよい場所で管理する
- トラップを仕掛ける
- 水栽培にする
- 鉢ごと水に沈める
それぞれ解説します。
木酢液(もくさくえき)を使う
木酢液は木炭を作るときに出る水蒸気や煙を冷却して 液体にしたものです。
有機酸・アルコール、ミネラル・ビタミンなどの200種類以上の成分が含まれており、いわば樹木の成分の凝縮液と言えます。
殺虫殺菌効果がありコバエの以外にも害虫の発生予防に効果があります。
原液を使用する場合は、必ず希釈して毎日~3日に1回ほど霧吹きを使って土の表面に散布することで防虫効果が期待できます。
殺菌消毒済みの培養土を選ぶ
また植え替えの際に土をしっかりと選ぶことも大事です。
基本的には市販の培養土は、出荷前に殺虫してから袋詰めされています。
しかし安価な土の場合、殺菌が弱く虫が死滅していなかったなんてこともあり得ます。
購入する際は、 「殺菌消毒済み」と明記してあるものを選びましょう!
土の表面に無機質の土を敷く
キノコバエは有機質の土に卵を産み繁殖します。
その際、地表から2〜3㎝のところに卵を産みます。
そこで、地表から5㎝程度のところまでを無機質の土にしてしまえば、キノコバエは繁殖できなくなります。
土を全て無機質に変えてしまうと観葉植物も育たなくなります。
無機質の土には、
- 赤玉土
- 鹿沼土
- バーミキュライト
などがあります。
その中で特におすすめなのは、「鹿沼土」です。
鹿沼土は崩れにくく、水をかけると色が変わり乾くとまた元の色に戻るという性質があるので水やりタイミングの目安にもなります。
有機肥料ではなく化成肥料を使う
キノコバエは有機肥料に集まり繁殖します。
有機肥料は植物の生長を助けますが、室内で使うとコバエが湧きやすくなるのでおすすめしません。
観葉植物に肥料を使う場合は、化成肥料の使用をおすすめします。
過湿状態を避ける
土がジメジメと湿った状態はコバエの喜ぶ環境です。
水はけの良い土と鉢底石を使用して、 土を早めに乾燥させることが予防に繋がります。
とは言え、保水性の高い土を好む植物もいるので、 その場合は風通しの良い場所で管理して通気性を良くしましょう。
トラップを仕掛ける
発生している鉢にトラップを仕掛けるという手もあります。
そんな時はアースガーデンから出ている「ボタナイス」という仕掛けがおすすめです。
化学薬品を使っていないので、薬品が気になる方でも安心して使うことができます。
粘着タイプの仕掛けで、土からわいたハエが歩いて移動し、緑色に寄ってくる性質を利用しキャッチするというものです。
1ヶ月近く効果を期待できます。
ただ、捕獲するだけなので植木鉢の土を交換しない限り根絶はできないのがネックです。
水栽培にする
植物にもよりますが、 思い切って水栽培にしてしまうのもおすすめです。
そもそも土がないのでコバエが発生しません。
また、土特有のにおいがないのも魅力です。
水栽培やハイドロカルチャーについては別に記事があります。
鉢ごと水に沈める
昔からある手法ですが、水を張ったバケツに鉢ごと沈めて駆除するという方法もあります。
沈めてから10分から15分程度すると、コバエの幼虫や卵が水面に浮かび上がってくるので、網ですくって駆除します。
そのあとは風通しのいい日向で、土を乾かします。
まとめ
- 木酢液を使う
- 殺菌消毒済みの培養土・水はけの良い土を選ぶ
- 土の表面に無機質の土を敷く
- 有機肥料ではなく化成肥料を使う
- 過湿状態を避ける
- 水はけを良くし、風通しのよい場所で管理する
- トラップを仕掛ける
- 水栽培にする
- 鉢ごと水に沈める
発生してしまってからでは駆除が面倒なので何より発生しないための日頃の管理が大事です。