この記事では、室内管理のアガベをこれ以上大きくせず、コンパクトな株姿を長く楽しむための管理方法について解説します。
- あまり大きく育ってしまうと置き場所に困る…
- ガンガン大きくする!というよりは今の形を維持して鑑賞を楽しみたい
といった方に向けた記事になっております。
内容としては、植物の成長に関して重要な要素である光・風・水・鉢について順にお話ししていきます。
なお、この記事の内容は動画でもご紹介しています。
今回解説した方法で管理している株については上記の動画にてご紹介しておりますので、参考にしていただけますと幸いです。
それでは今回もみていきましょう。
光について
実際に成長を緩やかにし、状態を維持を目的とした場合どれくらいの光が良いかというと、PPFDで600程度あれば十分だと考えています。
まず室内管理において成長スピードをコントロールするにはまず第一にライトの当て方を調整することが大事です。
そしてライト(光)を中心にして、植物の成長に必要な風と水を調整していくことである程度株の成長スピードのコントロールが可能になります。
PPFDで600程度の光を年中1日12時間照射すると成長がかなりスローになり、徒長もしないで育てられるレベルです。
余談
今は強い光を売りにしたライトが数多く出ているので、そういったハイスペックなライトの方が多肉植物には良いと思うかもしれませんが、維持を重視するならばそういったライトは光が強すぎるので状態維持を目的とした管理には向きません。
逆に大きく育てたい場合はそういったライトを選ぶとよいと思います。
そして当店ではBARRELさんのTSUKUYOMIを愛用しています。
他のライトで同じような光の強さに調整してもストレスカラーが出てしまったり、葉が焼けてしまったりと失敗してきました。
TSUKUYOMIは今までそういった失敗が一度もなく、状態維持を目的とした場合にとても管理がしやすいライトだと思っています。
価格は高いですが、その分価値のあるライトだと思います。
あとはAMATERASも良いですし、HASU38spec9も個人的にはおすすめです。
水やりについて
続いて水やりについてです。
株の種類にもよりますが、前述の通り光を弱めて管理すると葉に多くの水分を溜めているチタノタなどは月に1度程度の水やりでも枯れることはありません。
むしろ水やり直前の姿はとても締まった美しい株姿を楽しめます。
そしてこれだけ光も弱くして水やりの回数も減ると、成長もかなり緩やかになります。
風について
続いて風についてです。
光・水を弱くしたならば、風もそれに伴い弱くします。
お使いのサーキュレーターによっても異なるとは思いますが、弱風程度の風を24時間送ります。
その際大事なのは、少し株に風を当ててストレスを与えることです(首振りはしてください)。
ストレスを与えることで背丈が伸びる縦方向への成長(伸長成長)を抑制し、株が太くなるなどの横方向への成長(肥大成長)を促す効果があると言われています。
ぼくも詳しく知っているわけではありませんが、このことを接触形態形成(thigmomorphogenesis)と呼びます。
簡単に言うと、外部からの接触(ストレス)を受けることで植物は攻撃されていると勘違いし、免疫システムが活性化し、本来成長に使うはずのエネルギーも消費してしまうため成長が抑制されると言った仕組みです。
このように光、水、風を調整することである程度株の成長スピードをコントロールすることが可能になります。
鉢サイズについて
最後に鉢についてです。
コンパクトに育てるには小さめの鉢を選ぶのがポイントです。
当然根が多く回ればその分葉もよく動きますので、バランスをみて株と同じくらいか少し小さめでもOKです。
手に入れた株がすでにある程度整った株であれば、入れたい鉢にすぐに植えてしまってOKです。
子株だったりまだ特徴が出ていない場合は、水をガンガン与えてある程度大きくしてから植えると良いかと思います。
まとめ
今回はコンパクトな株姿を長く楽しむための室内管理の方法をご紹介しました。
今回の内容をまとめると…
- 光はPPFD値600程度で管理する
- 水やりは月1程度で行う
- 弱風を株に当てる
- 鉢は小さめのものを選ぶ
になります。
ぼくもまだまだ勉強中で、試行錯誤の日々ですが何か発見があれば都度共有していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
では今回はこれで以上になります。