今回はハオルチアのLEDによる室内栽培についてお話しします。
ハオルチアは多肉植物の中でも比較的暗い場所でも育てられる植物なので、室内での管理を考えている方もいらっしゃると思います。
また寒冷地などにお住まいで、屋外での栽培が難しく、出来れば室内で管理したいとお考えの方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、実際に室内でハオルチアを育てているぼくが、ハオルチアを室内で管理する場合、どのくらいの明るさが必要なのか、またどんなLEDを選べば良いのか、そしてLED以外に何か必要なものはあるのかなどをお話ししていきたいと思います。
この記事は動画でもご紹介しています。
ハオルチアはどれくらいの明るさが必要?
ハオルチアは自生地では岩の陰や木の根元、また雑草などの茂みの中で生育している植物なので、直射日光は苦手と言われています。
そのため一般的には一年を通して半日陰の場所で管理することが望ましいです。
細かくいえば、
- 生長期の春と秋は遮光率40〜50%程度
- 日差しが強くなる5月〜10月中旬頃は遮光率50〜60%
- 冬場は20〜40%程度
と言われています。
そう考えるとやはり日差しの弱い冬場以外は50%程度の遮光率が基本となり、半日陰が適しているということになります。
簡単に考えれば室内で管理する場合も半日陰程度の光がある環境を整えてあげれば良いことになります。
とはいえ半日陰ってよく聞きますが、実際どのくらいの明るさなのか分かりませんよね。
なのでまずは半日陰がどんな場所なのかをご説明したいと思います。
半日陰の明るさについて
今回は分かりやすいように数値で表したいと思います。
明るさは、明るさの単位である照度とPPFDで考えます。
ちなみに照度(ルクス)は、
「光に照らされた面の明るさ」のことで、つまり照らされた部分を示す単位
になります。
一方PPFD(光量子束密度)は簡単に言えば、
植物が感じる明るさのことで、光合成を考えるときに使う光の単位
になります。
※細かくいうと可視光スペクトルにおいて、1秒あたり1平方メートルの対象範囲に注ぐ光子の数を示す値のことです。
照度は人の目で見た時の明るさを表す単位なのでこの明るさ=植物の生長に必要な明るさではないのですが、PPFDよりも照度の方が馴染みがあると思いますので、今回は照度も一緒に見ていきたいと思います。
ではざっくりですが、屋外の明るさはを照度とPPFDでみてみましょう。
まず照度の場合、
- 晴天の日向・・・・・・約50,000ルクス(冬)~100,000 ルクス(夏)
- 曇りの日・・・・・・約30,000~50,000ルクス
程度になり、PPFDで言うと、
- 太陽の直射日光・・・・・・約 2,000 μmol/m2・s
- 曇りの日・・・・・・約 50 〜 100 μmol/m2・s
程度と言われています。
ちなみに明るい室内の照度はと言うと、晴天の日でも 500〜1000ルクス程度しかないそうです。
こう考えると半日陰でも結構明るいと言うことがお分かりになると思います。
そしてハオルチアを室内で育てる場合に必要な明るさは、
単純に考えれば照度で考えた場合50,000ルクス程度は必要になるということです。
また、PPFDで考えた場合だと単純に半分にすれば良いのか分かりませんが、一般的に多肉植物の場合500以上は必要と言われています。
ただ、ぼくの環境の場合ですがこのハオルチアの栽培環境はそこまで明るくありません。
実際測ってみましたが、30,000〜40,000ルクス程度しかありませんが、問題なく育てられています。
そのため半日陰が適しているとは言われていますが、実際はもう少し低くても良いような気がします。
それを考慮しつつ、明るさの目安を考えると(環境によって異なるので、これが絶対とは言えませんが)、大体30,000〜50,000ルクス程度が必要だと思います。
必要な明るさが分かればライト選びの基準になりますね。
植物育成LEDライトの選び方
必要な明るさが分かったので、ライトが選びやすくなったかなと思います。
比較的日光を必要としないと言えど、実は結構明るい場所を好むので、ハオルチアを室内で育てる場合は、ある程度性能が良いものを選ぶことをお勧めします。
しっかりとしたLEDメーカーであれば、照度やPPFD値が記載されているので、その数値を見れば選びやすいかなと思います。
ただもし、必要な数値よりも低くてもLEDの場合は照射距離を近づけることで数値を上げることができるので、多少低くても問題ないかなと思います。
ぼくも植物の状態を見て、高さを調整するようにしています。
その他必要なこと
最後に光以外で大事なこともお話しさせていただきます。
植物育成において大事なのは光・風・水のバランスです。
光を確保しても風と水がなければ植物は上手く育ちません。
そのため風と水について解説します。
風
ハオルチアは風通しが特に大事になります。
ハオルチアの自生地は常に風が吹いているような環境と言われています。
そのため風通しが悪いと夜間に呼吸ができず生育が悪くなります。
室内の場合、空気が動かない場合が多いので、もし必要であればサーキュレーターなどを用意することをおすすめします。
灌水(水やり)
続いて水やりですが、過湿状態だと根腐れを起こし、少ないと葉が痩せてしまいます。
ご自宅の環境(光と風のバランス)によって水やりの頻度は変わりますので、このタイミングでとは言えませんので、こればかりは植物の状態をよく観察して与えることが必要になります。
またハオルチアは土が湿った状態が続くことを嫌います。
特に室内だと土が乾きにくいので、水はけの良い土を使用することをお勧めします。
一方、空気中の湿度はある程度好むようで60%程度が適切と言われています。
そのため、あまり乾燥し過ぎないように加湿器を設置するか、霧吹きなどで軽く土を湿らすと良いと思います。
まとめ
今回はハオルチアのLED栽培についてお話ししました。
ハオルチアは環境を整えてあげれば室内でも育てやすい植物ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、すでに室内で育てられている場合は、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
- 室内は屋外と比べるとかなり暗いので補光する必要がある
- 照度でいうと大体30,000〜50,000ルクス程度が必要かと思われる
- PPFDでいうと500μmol/m2・sは必要かと思われる
- 比較的日光を必要としない植物だか実は結構明るい場所を好むので、ある程度性能が良いLEDを選ぶ
- 風通しが悪いと夜間に呼吸ができず生育が悪くなるので風通しにも気をつける
- 空気中の湿度はある程度好むようで60%程度が適切