ディスキディアはもっちりとした多肉質の葉が可愛らしい、ハンギンググリーンにとてもお勧めの観葉植物です。
種によっては夏に花を付け、一年を通して楽しむことが出来ます。
いくつか種類がありますが、日本ではハート型のミリオンハートの愛称で親しまれる【ディスキディア・ルスキフォリア】とカンガルーポケットの愛称で親しまれる【ディスキディア・ペクテノイデス】が観葉植物として有名です。
今回はこの魅力的な植物である、ディスキディアの種類や育て方、増やし方(挿し木)をご紹介します。
Contents
ディスキディア
ディスキディアとは
- 科名:ガガイモ科
- 属名:ディスキディア属
- 原産地:東南アジア、オーストラリア、太平洋諸島西部
ディスキディアは東南アジアやオーストラリア、太平洋諸島西部などの熱帯地域に分布する、常緑多年草の植物です。
花言葉は『平和』を持ち、贈り物としても人気の高い植物です。
ディスキディアの種類
ディスキディアは大きく分けると、貯水嚢(葉が膨らみ内部が空洞化している葉)を持つ種とそうでない種に分ける事が出来ます。
ディスキディア・ルスキフォリア(ミリオンハート)
貯水嚢を持たず、ハート型の葉が愛らしいルスキフォリア。夏に小さな赤い花を付けます。
ディスキディア・ペクテノイデス(カンガルーポケット)
ディスキディア・ベンガレンシス
貯水嚢を持たず、美しいエメラルドグリーンの葉が特徴的なベンガレンス。
バリエガータ(斑入り)も人気です。
ディスキディア・ヌンムラリア
貯水嚢を持たず、丸く小さい葉が特徴的なヌンムラリア。
ELBAZ FARMのディスキディア(ミリオンハート)
自生地での生育環境
高温多湿な熱帯地域に分布している植物です。
自生地では主に、自然の岩や樹木にツルを伸ばし着生し、空気中の水分を取り込み生育しています。
育て方のポイント
置き場所
自生地と同様に温暖な環境を好みます。
強い日差しは苦手なので直射日光を避け、レースカーテン越しに陽が当たるように調整してください。
耐陰性もある程度ありますが、光線不足だと弱々しい株になり、葉がポロポロと落ちてしまいます。しっかりと日光に当てる事で、色つやの美しい肉厚ある葉に育ちます。
- 1月から4月はレースカーテン越しの日が当たる場所
- 6月から9月頃の日差しの強い時期は外に出し、(徐々に慣らしながら)明るい日陰
- 10~12月は再び屋内に取り込み、レースカーテン越しの日が当たる場所(寒さには弱いので冷気が当たらないように気を付ける)
水やり
ディスキディアは基本的に水やり控え、乾燥気味に育てるのがポイントです。
サボテンや多肉植物のように体内に水分を蓄える事が出来るので乾燥に強い植物です。また、自身で空気中の水分を取り込み生育する性質を持つので、過度な水やりは控えます。
4月から9月頃の暖かい時期は、表土が乾いてからたっぷりと水を与えると同時に、霧吹きを使い葉にも水分を与えて下さい。
10月から3月の寒い時期は、休眠期に入ります。その時期は水を吸い上げる力が弱るので、乾燥気味に育てます。鉢土が乾いてから水を与える程度に水やりの回数を減らしてください。その代わり、温かい時期と同様に霧吹きを使った葉水を冬場も継続して行います。
土が乾燥する前に水分を与えてしまうと、根腐れを起こし原因となりますので、注意してください。
肥料
基本的には多肥を嫌うので、春から秋の成長期には薄めた液肥を月に1~2回与えます。
植え替え時期
休眠期を終え、生育期に入る4月~5月がディスキディアの植え替えを行う最も適した時期です。
鉢の底を覗き、鉢底から根が出ているようだと、根詰まりを起こしているサインです。1~2年のペースで植え替えを行いましょう。
植え替えを行う場合は、現在使用している鉢の一回り大きい鉢を用意しましょう。用土に関しては、水はけのよい市販の観葉植物用の土か多肉植物用の土が適しています。
冬越し温度
最低5~10℃以上
熱帯地域で自生している植物なので、寒さにはとても弱いです。
10月の秋からはリビングなど人が生活する暖かい場所に取り込んでください。暖かい部屋であっても窓際は冷気にあたり弱ってしまうので注意してください。
病害虫対策
葉が密集した状態で風通しが悪い場所に置いておくと、カイガラムシが発生する場合があります。
風通しの良い場所に起き、霧吹きで葉水を小まめに行う事で事前に予防します。また、適度に剪定を行い蒸れないように気を付けます。
栽培下での成長の様子
園芸店ではハンギンググリーンとして人気の植物です。
ボリュームのある大型のものから、可愛らしい小型のものまで幅広く見つける事が出来ます。
仕立て直し
春から夏にかけての生育期には、蒸れの防止も兼ねて適度に剪定を行います。伸びすぎた部分を剪定ばさみを使い、形を整えましょう。
増やし方(挿し木の方法)
ディスキディアを増やす場合は、取り木か挿し木が一般的です。
取り木は、挿し木よりも早く成長させることが可能ですが、難易度は少々高めです。
その為、初心者は挿し木の方が簡単に増やす事が出来るのでお勧めです。
挿し木を行う時期は、生育期である春から秋が適しています。
挿し木の手順
・バーミキュライト(又は市販の挿し木用土)
・鉢
・鉢底石
・発根促進剤(メネデール)
・水揚げ用の器
・剪定バサミ
・細い棒
まずは元気に育っている茎(出来れば若い茎を選ぶ)を選び、長めにカットします。
葉の付け根から発根するので、10cmほど残して”斜めに”カットします。
切断面が広い方が発根し易いので、斜めに切るのがポイントです。
細い茎の場合は、反対側も同じようにカットして、更に切断面を広げても良いです。
植える際に下葉は邪魔になるので、半分ほど落とします。
同じように数本用意したら、半日水揚げします。
その間に挿し木用の鉢を用意します。
水はけを良くする為に、鉢底石を入れ、その上に用土を入れます。
用土は、無菌・無肥料の物を選びます。
ディスキディアの茎はとても細いので、粒の細かいバーミキュライトがお勧めです。
単体でも良いですし、赤玉土を少し混ぜてもいいかもしれません。
水揚げ後、切断面に発根促進剤をつけます。
僕のおすすめは、普段の水やりにも使える”メネデール”です!
土が柔らかくて挿せないので、土を水で湿らせておきます。
後は切断面を挿し木用の土に挿し込むだけですが、直接挿すと切断面が傷ついてしまうので、棒などを使って先に穴をあけ、そっと差し込んでください。
その後は、明るい日陰やカーテン越しの陽が当たる場所に置き、水が切れないように管理します。
定着後は好みの鉢に植え替えましょう。基本的に他のものに着生して成長する植物なので、深い鉢は必要ありません。
まとめ
まるで自然のカーテンのように垂れ下がる姿が可愛らしいディスキディアをご紹介しました。
- 日本で流通する代表種はルスキフォリア・ペクテノイデス・ベンガレンシス・ヌンムラリアの4種。
- 家の中ではカーテン越しの陽が当たる場所が適している。
- 多湿を嫌うので、過度な水やりを控える。
- 成長や状態に合わせて液体肥料を生育期に与える。
- 植え替えは4月・5月に行う。
- 冬場は最低5~10℃をキープする。
- 害虫予防で風通しの良い場所に置き、適度に霧吹きで葉水を行う。
- 伸びすぎた茎は剪定し、仕立て直しする。
- 挿し木で簡単に増やす事が出来る。
どれにしようか迷った時は、ミリオンハートの名前で親しまれる【ルスキフォリア】がおすすめです!