トックリランはその見た目通り、株元が徳利のように膨らむ姿からその名が付けられました。
以前はノリナ属に分類されていたことから「ノリナ」の名前で販売しているお店もあります。
また、英名では「ポニーテール」の名前で親しまれています。
株元から伸びる葉は最初は直立していますが、徐々に重さで垂れ下がっていきます。
その姿がポニーテールを連想させることからそう呼ばれています。
乾燥に強く、とても丈夫な植物なので園芸ビギナーの方や植物の手入れは面倒と思う方にもおすすめできます。
- 少し変わった植物をお探しの方
- 観葉植物に手間をかけたくない方
- 丈夫な植物を知りたい方
Contents
トックリランとは
- 科名:リュウゼツラン科
- 属名:トックリラン属(ノリナ属)
- 原産地:メキシコ、アメリカ南部
科名:キジカクシ科・リュウケツジュ科に分類されることもあります
トックリランはユッカやドラセナなどと同じリュウゼツラン科の仲間です。
冒頭でもお伝えしたように、生長と共に株元が徳利のように肥大していきます。
アメリカ南部、メキシコなどの岩や石に覆われた乾燥した土地で自生しており、肥大した徳利状の部分に水を蓄え乾燥に耐えています。
また、日光を好み、幹を太らせながらどんどん上に向かって生長していき、自生地では10m以上も大きくなる場合もあります。
販売されている鉢植えのものはそこまで大きくなりませんが、うまく育てれば、幹が鉢いっぱいになるほど大きく生長し、新芽を多く出し、独特の存在感のあるシルエットを楽しめます。
トックリランの品種
- レクルバータ
トックリランと言えば、この品種を指すことが多い
- グアテマレンシス
レクルバータとよく似た見た目で、区別が難しい
日本ではレクルバータと並ぶ流通量
- ロンギフォリア
葉先が長いのが特徴で、自生地では数メートルの高さにまで成長する
- ストリクタ
葉が太めで、斜め上の方向にまっすぐ伸びる
他のノリナとは一味違った株姿
- ネルソニー
耐寒性マイナス12度と寒さに非常に強い
株元のぷっくり感が少なくスタイリッシュな見た目
白みがかった葉色が美しい
トックリランの花言葉
トックリランの花言葉は「多くの才能」です。
トックリランの育て方のポイント
トックリランは乾燥に強く、少し水やりを忘れたくらいでは枯れないほど丈夫な植物です。
特に手間のかからない植物ですが、よりトックリランの魅力を引き出すための育て方のポイントをご説明します。
置き場所
自生地では強い日差しを浴びて自生している植物なので、日当たりの良い明るい場所を好みます。
年間を通して良く日に当てると、新芽を多く出し幹を太らせ、大きく生長していきます。
逆に光線が足りないと葉が徒長し、幹も膨らまず本来のトックリランらしい姿を楽しむことができません。
ガラス越しによく日の当たる窓辺で管理しましょう。
また、暑さにも強いので5月から9月の暖かい時期は、屋外の日向に置いておいても問題ありません。
水やり
徳利の部分に水を蓄えることができるので、乾燥にはとても強い植物です。
春と秋
春から秋は鉢の土がやや乾いてから与えます。
夏
夏場は、乾燥が早いので土の表面が乾いてから与えましょう。
冬
一方冬場は水やりを控え、ほぼ断水気味に育てます。
基本的には鉢土が完全に乾いてから与える程度で問題ありません。
乾燥気味に育てることで冬場の低温にも耐えます。
暖かい時期は、定期的に屋外や浴室などで株全体に水をかけることで、夏場の水切れを防ぐことができます。
乾燥には強いですが、全く水分がない状態が続くと葉先が枯れていくので注意が必要です。
肥料
5月から9月の生育期に月に2回程度薄めた液体肥料を与えるか、春と秋に1回ずつ緩効性肥料を与えます。
用土
水はけが悪く、土が湿った状態を嫌うので、水はけの良い土を使用します。
ご自身でブレンドされる場合は、
- 赤玉土小粒:7
- 軽石小粒:3
をおすすめします。
市販の観葉植物用の土でも問題ありませんが、水はけをよくするために、「黒曜石パーライト」を少し混ぜると良いかもしれません。
植え替え
トックリランの植え替えの適期は5月から9月上旬までです。
頻繁に植え替える必要はないので、生長の様子をみて2年に1回程度ひと回り大きい鉢に植え替えれば問題ありません。
冬越し温度
比較的低温にも耐える強い植物です。
基本的には5℃以上をキープして育てるのが無難ですが、乾燥気味に育てることで0℃近くまで耐えます。
そのため、屋外でも越冬も可能ですが、霜がつかないように気をつけましょう。
病害虫
カイガラムシやハダニが発生する場合があります。
特に屋外で育てている場合はカイガラムシがつく可能性が高いので、予防として専用の殺虫剤で予防するのもひとつの手です。
発生してしまったら、殺虫剤などを使って早めに駆除しましょう。
日常管理
水切れして葉が枯れてしまった場合は、残しておくと見栄えも悪いので枯れた部分を切ります。
また、新芽が増えすぎて株姿が乱れてしまうこともあります。
そんな時は、新芽を3つ程度バランスよく残して、根本から切って摘心しましょう。
増やし方
トックリランは、「種まき」や「挿し木」で増やすことができます。
種まきは、暖かい5月〜9月頃が適期です。
1ヶ月程度で発芽するので、水を切らさないように管理してあげてください。
挿し木は、膨らんだ基部の上の茎を切り、赤玉土や鹿沼土などにグラグラしないように挿し、発根を待ちます。
2ヶ月程度で発根しますので、根が出たら鉢に植え付けましょう。
適期は種まき同様に暖かい5月〜8月頃です。
トックリラン特有の見た目が好みの方は種まきで増やすのをおすすめします。
まとめ
今回はユニークな形が魅力の観葉植物「トックリラン」をご紹介しました。
丈夫でとても育てやすい植物ですので、園芸ビギナーの方でも安心して育てられます。
この記事の内容は、ELBAZ FARMのYouTubeでもご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
- 基部の形が徳利に似ていることが名前の由来
- 日当たりよく乾燥した地域で自生している
- 花言葉は「多くの才能」
- よく日に当て、乾燥気味に育てる
- 生育期に月に2回程度薄めた液体肥料を与える
- 植え替えの適期は5月から9月上旬
- 冬は5℃以上をキープする
- カイガラムシやハダニに注意
- 定期的に摘心する
- 種まきや挿し木で増やすことができる