多肉植物

【アガベ室内管理】サーキュレーターの必要性と当て方について

最近よくいただく質問の中に、

  • 「サーキュレーターはどのように使っていますか?」
  • 「どのように風を当てていますか?」
  • 「強さはどれくらいですか?」

という風に関する質問を多くいただきましたので、今回はそちらに対しぼくなりの考えややり方を共有したいと思います。

光に関しては照度計などを用いれば当て方を調整できますし、水やりも土や株の状態から頻度を調整できます。

一方風に関しては光、水と違い目に見える数値などを測れるものでもないので難しい部分であると思います。

ぼく自身、試行錯誤を繰り返して調整しておりますが、現在のやり方が必ずしも正しいというわけではないと思っています。

とはいえ、とりあえず現状問題なくアガベを育てられていますのでその方法をご紹介します。

今回の内容としては…

まずそもそも風ってなんで必要なのか?をご説明した上でその当て方を考えていくという流れでお話しします。

ではみていきましょう。

この記事の内容は動画でもご紹介しています。

風はなぜ必要?

ではまず風はなぜ必要なのか?からお話しします。

風が必要な理由は主に以下の4つになります。

  1. 徒長を避けるため
  2. 熱を下げるため
  3. 乾燥させるため
  4. 生長を促すため

それぞれご説明します。

徒長を避けるため

植物を直接触る、風を当てるなどの刺激は、植物を太らせる効果があると言われています。

ストレスを与えることで伸長成長、つまり背丈が伸びる縦方向への成長を抑制し、肥大成長つまり株が太くなるなどの横方向への成長を促す効果があると言われています。

ぼくも詳しく知っているわけではありませんが、このことを接触形態形成(thigmomorphogenesis)と呼ぶそうです。

簡単に言うと、外部からの接触(ストレス)を受けると、植物は攻撃されていると勘違いし、免疫システムが活性化し、本来成長に使うはずのエネルギーも消費してしまい成長が抑制されると言った仕組みです。

本来であれば成長を抑制してしまうのであまり良いことではないかもしれませんが、ことアガベやコーデックスなどズングリした短く詰まったフォルムが良しとされている植物に関しては徒長を防ぐためにある程度刺激を与えた方が良しとされています。

と言っても刺激(ストレス)を与えすぎると弱ってしまうので当然加減は必要です。

熱を下げるため

風を送ることでLEDから出る熱を下げる効果も期待できます。

多肉植物を室内で育てている場合、強い光を当てるためにライトをかなり近づけて使っている方も多いと思います。

そうすると結構な熱が植物に伝わり葉焼け起こすリスクも高くなります。

風通しを良くすることで高温になるのを防ぐ効果を期待できます。

乾燥させるため

湿度が高いと用土が乾きにくくなり、徒長しやすくなるほか根腐れのリスクも高くなります。

また加湿状態が続いていると蒸れて葉に痛みが出るなど良いことはありません。

加えて炭疽病などの病気も発生しやすくなります。

実際ぼくは夏場にサーキュレーターをつけ忘れて、ベアルート株に炭疽病が発生したことがあるので、高い湿度は本当に気をつけた方が良いです。

ジメジメとした空気を飛ばし、乾燥させるためにも風通しは必要になります。

生長を促すため

室内の場合、空気が滞留しがちです。

アガベを含め多肉植物の多くは夜間に気孔を開き、二酸化炭素を吸収しています。

つまり空気が淀んでいると呼吸が出来ず生育が悪くなってしまうので、空気を循環させ呼吸を促すことで生長の促進が期待できます。

サーキュレーターの当て方について

では風通しの必要性を理解した上で、次は当て方を考えていきたいと思います。

当て方については育て方、環境によって異なるのでここでの話はあくまでぼくの環境下での話になりますので参考程度にお聞きいただけると幸いです。

まずはぼくの考え方からお話しします。

自然の風が吹いている屋外と違い、室内管理の場合は人工的に風を送る必要が出てきます。

そこで多くの方が使っているのがサーキュレーターだと思います。

そして当サイトをご覧いただいている方であればぼくの室内での管理方法は光、水は控え目にしているということをご存知だと思います。

そのためぼくは風に関しても弱めにしています。

ぼくが常にイメージしているのは光・水・風の三角形のバランスです。

理想はきっとこのような感じだと思います。

ただこの形を室内で実現するのはかなり難しいと思っています。

室内は屋外とは違うので何かしら強くなったり、弱くなったりとバランスが崩れがちです。

これもよくお伝えしていることですが、何か一つだけ強いと言うのは植物には良いことではありません。

例えば光だけが強ければ葉焼けのリスクが高まりますし、水やりが多ければ徒長の可能性が出てきます。

そのためぼくは全て控え目にし、下図のようにバランスが取りやすいようにし、リスクを下げて管理しています。

当然先ほどお見せした理想のバランスよりも生長は遅いですが、経験上コンパクトなバランスでも十分に管理できています。

これを踏まえた上で実際の当て方をご紹介していきます。

風の強さ

まずは風の強さからです。

お伝えしているように光、水を控え目にしているのでぼくは風も弱くしています。

もちろん個々のサーキュレーターごとに強さは異なるのでそれぞれ調整が必要だですが、ぼくは送風の強さはいつも弱風に設定しています。

イメージ的にはそよ風が当たる程度になります。

強さをどれくらいにすれば分からないという方は、先ほどご紹介した光・水・風の三角形を自分の環境に落とし込んでみると、どれくらいの強さにすれば良いか見えてくると思います。

当て方

続いて当て方です。

当て方に関してはぼくは正面からダイレクトに風を送っています。

直接当てた方が良いか?という質問をよくいただきますが先ほど風の必要性でお伝えしたように風という刺激を与えることで徒長を抑制する効果を期待できるので答えは「イエス」です。

ただ常に当て続けるのは心配なのでサーキュレーターの首振り機能を使って定期的に風が当たるようにしています。

どの向きから当てるかに関しては、ぼくは正面と言いましたがそこまで気にする必要はないと思います。

と言うのも、徒長の抑制期待できる接触形態形成はどこかしら一部に刺激があれば株全体に影響があると言われているからです。

これは定かではないので、ご自身でも向きに関しては色々試してみていただきたいですが、ぼくはサーキュレーターの位置をほとんど変えたことはありません。

ただ、今の所特に問題はないので、向きに関してはそんなに気にしなくて良いのかなと思っています。

植物の置き方

最後にもう一つ大事なのが植物の置き方です。

せっかく風を送っても株に当たっていなければ意味がないので、それぞれの株がしっかりと風が当たるように配置も工夫する必要があります。

まず、風が通るように鉢と鉢の間隔をしっかりと空ける、そしてサーキュレーターに近い順に背の順に並べるなどです。

これは前列に大きい株を置いてしまうと後列の株に当たらないからです。

このように配置も少し工夫してあげるとより風の効果を期待できると思います。

まとめ

今回はサーキュレーターの必要性とその使い方(風の当て方)についてお話ししました。

この動画が室内管理に興味がある方の何かしらの参考になると嬉しいです。

室内栽培に関してはこれという正解がないのでぼくも試行錯誤している状態ですが、また何か発見やわかったことがあれば随時共有していきますので、アガベの室内管理が気になるという方はこのサイトを応援していただけると嬉しいです。

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