本記事は多くの方からレビューのご依頼をいただいた、今話題の植物育成LEDライト【PlantsNEXLIGHT(プランツ ネクスライト)】をご紹介したいと思います。
ぼくも他の方の動画やネット上の良い評判を見ていたので気になっていましたので、実際に購入して使ってみることにしました。
公式サイトに載っているプランツネクスライトのスペックを見る限り第一印象としては、10W程度の消費電力にも関わらず性能もそこそこ良さそう、そして比較的リーズナブルという印象でした。
今日はスペックを見ながらその印象と比べて実際はどうか…と、他のライトと比べてどうなのかが気になると思います。
そこでまずPlantsNEXLIGHTがどんなライトなのかご説明した上で、他のライトと比較していきます。
比較内容としては、
- LED栽培で重要な植物の見え方(色温度)の確認
- どんな植物に向いているのかの確認(PPFDや波長)
- 気になる価格や電気代
を行った上で最後に総評をしたいと思います。
この動画が植物育成LEDライトの導入を検討している方の参考になると嬉しいです。
※まだ実際に試した訳ではないので、あくまで発表されているスペックをもとにした比較、そして個人的考えが大いに入ることをご了承ください。
この記事の内容は動画でもご紹介しています。
PlantsNEXLIGHTとは
これは公式サイトに書いてある通りですが、プランツ ネクスライトは農業LED・光環境の研究をリードし、数多くのプロジェクトを手掛ける「豊川温室」さんと西日本随一の植物総合卸として、プロから頼られる「高島屋植物園」がコラボして作られた植物専用LEDライトになります。
生産農家への供給をメインとしている豊川温室が関わっているので、現場のリアルな声が反映されており、植物の育成を考えられた光であることはもちろんのこと、不具合があっても一度に全てが消灯しないような設計などの細かな考慮がなされています。
植物業界では有名な2社がタッグを組み満を辞して登場したのライトなので当然期待値は上がりますね。
外観と仕様
【仕様】
- 寸法:H108mm、Φ95mm
- 口金:E26
- 重量:267g
- 消費電力:10.5W
- 定格素子寿命:30,000時間
- 価格:8,800円(2022年5月時点)
- 保証期間:1年間
外観はインテリア性を重視したスタイリッシュなデザインをしています。
色展開はこのブラックの他にホワイトがありの2色展開になります。
人気のLEDメーカー【BARREL】から出ているアマテラスとツクヨミによく似ています。
上の画像がアマテラス10wです。
下の画像がプランツネクスライトです。
外側のデザインはかなり似ています。
サイズはアマテラス10Wとほぼ同じサイズ感です。
重さはプランツネクスライトの方がずっしりしています。
プランツネクスライトのLEDチップは砲弾型であり、アマテラスやツクヨミはCOB(チップオンボード)チップだったと思いますので、構造がそもそも違うのでライト部分の(内側のデザイン)は異なります。
ちなみに砲弾型とCOB型のメリット・デメリットは以下の通りです。
【砲弾型】
・メリット
遠方まで照射でき、極所的に照らす場合に向いている。
・デメリット
前方への照射に強いが光が横方向には広がらない性質の為、高輝度を必要とする場合は不向きなチップ。
【COB型】
・メリット
高輝度でありつつ放熱性能にも優れている
・デメリット
製造に手間がかかり高単価
になります。
口金(くちがね)は一般的なE26タイプで消費電力は10.5Wとなっています。
寿命と価格については後程他のライトと比較しながら解説します。
植物の見え方(色温度)
- PlantsNEXLIGHT : 5,000K
- AMATERAS:5,900K
- LIGHT STAFF VA:6,200K
- HASU38 spec 9:6,100K
- MORSEN暖:3,889K
- MORSEN白:6,251K
ではまず植物の見え方についてです。
室内栽培をするならば植物の見え方はとても大事だと個人的には思っていますので、それぞれの見え方をみていきたいと思います。
今回比較用のライトとして用意したのは、消費電力が近いアマテラス10Wと一応20W、そして消費電力は異なりますが価格帯が近いライトスタッフVAとハス38スペック9、そして低価格LEDのMORSENになります。
実はプランツネクスライトの色温度は公表されていないので、問い合わせて確認してみました。
回答をいただいた結果、5,000K位とのことでした。
※赤色のチップを除いた白のみで計測した場合
一般的に色温度が高くなるにつれて暖色系の色からと白っぽい色になりますので、プランツ ネクスライトはどちらかと言えば暖色系の色になるかなと思います。
今回ツクヨミは比較に入れていませんがツクヨミの色温度が約4,000から5,000K程度なので近いかもしれません。
実際照らしてみたので比較してみます。
色温度は好みになると思いますので、ライト選びのひとつの基準になるかなと思います。
ちなみに演色性も公表されておらずこちらも担当の方に問い合わせたところ不明とのことでした。
※演色性:この値が100に近いほど、本来の自然の色を再現できる性質が高いと言われています。
とはいえ、見た感じはとても自然な色合いだと思います。
植物の育ち方(PPFD&波長)
- PlantsNEXLIGHT : 275μmol/m2・s
- AMATERAS10W:287μmol/m2・s
- AMATERAS20W:406μmol/m2・s
- LIGHT STAFF VA:650μmol/m2・s
- HASU38 spec 9:1,224μmol/m2・s
- MORSEN暖:118μmol/m2・s
- MORSEN白:115μmol/m2・s
続いて植物の育ち方としてPPFDと波長を見ていきたいと思います。
PPFD(光量子束密度)とは、可視光スペクトルにおいて、1秒あたり1平方メートルの対象範囲に注ぐ光子の数を示す値のことです。
簡単に言えば、植物が感じる明るさのことで、光合成を考えるときに使う光の単位になります。
購入しようとしているLEDがどれだけPPFDを出せるのかを確認し、自分が育てようと思っている植物が必要とするPPFDを調べることでどのLEDが適しているか分かるようになります。
例えば、屋外の快晴時のPPFDはおよそ2,000 μmol/m2・sと言われています。
植物ごとに最適なPPFDは異なりますが、一般的に多肉植物で500以上は必要と言われ、観葉植物で10以上500程度と言われています。
今出ている数値はどれも40センチの高さから照射した場合の数値になります。
この数値を見る限りプランツ ネクスライトは観葉植物メインに使用した方がいいかなと思います。
MORSENさんのライトよりも数値は高いので、観葉植物の中では強い光を好むゴム系やドラセナ、ヤシなんかにちょうど良さそうです。
多肉植物の場合はちょっとパワーが弱いので、より近づけて照射する、もしくは多灯使い、または他のライトの補助光として使うのが良いかなと思います。
ライト自体のサイズも小さく、LEDチップが砲弾型(多分)のせいか結構照射範囲が狭いのでいずれにせよ広範囲に使うというよりはスポット的に使った方がこのライトの性能を活かせる気がします。
波長に関しては、公式サイトの波長分布を見る限り、植物の生長に必要な赤と青の波長が出ていますので問題ないかと思います。
画像参照:Plantsnexlight公式サイト

葉緑素の吸収波長域は400~700nmです。
その中でも第一に赤色(640~690nm)と第二に青色(420nm~470nm)が特に大事と言われています。
赤色の光は植物の伸長に必要な光で、茎を伸ばしたり面積を広げるなどの効果があります。
青色の光は植物の形態形成(葉を厚くする、幹を太くするなど)に有効な光です。
他のライトと比べるとプランツ ネクスライトは赤色に力を入れているのかな〜という感じですね。
寿命
続いて寿命についてです。
使い方や個体ごとの差はあると思いますが、各メーカーが公表している時間を見ていると、こちらになります。
- PlantsNEXLIGHT :30,000時間
- AMATERAS10W:20,000時間
- AMATERAS20W:30,000時間
- LIGHT STAFF VA:不明
- HASU38 spec 9:30,000時間
- MORSEN:50,000時間
長持ちして良いのですね。
ちなみに1日12時間使用した場合、単純計算で6,7年は保つ計算になります。
価格・電気代
では続いて気になる価格と電気代を見ていきたいと思います。
まずは価格からです。
- PlantsNEXLIGHT : 8,800円
- AMATERAS10W:9,900円
- AMATERAS20W:13,600円
- LIGHT STAFF VA:5,980円
- HASU38 spec 9:7,600円
- MORSEN:3,399円
※2022年5月時点
こうみるとプランツ ネクスライトは結構高いですね。
単純にスペックだけをみた場合、LIGHT STAFF VAとHASU38 spec 9の方が優れているのでちょっと割高かなという気がします。
加えてLIGHT STAFF VAとHASU38 spec 9は20Wなのでそれを考えてもちょっと高いかなあという気がします。
ただ、LIGHT STAFF VAとHASU38 spec 9はかなりハイスペックなので使い方によっては観葉植物などにはちょっと強すぎるという気もします。
そのため、どんな植物に使うかで考えた場合、価格よりもそれに見合ったライトを選ぶのも大事だと思います。
続いて電気代も見ておきたいと思います。
電気料金は電力量を計測しキロワットアワー当たりの電気代から一ヶ月の想定電気料金を出しています。
詳しい計算方法などは別の記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。
実際に計測し、計算してみたところこのようになりました。
- PlantsNEXLIGHT : 1ヶ月120円程度
- AMATERAS10W:1ヶ月で約90円
- AMATERAS20W:1ヶ月180円程度
- LIGHT STAFF VA:1ヶ月180円程度
- HASU38 spec 9:1ヶ月200円程度
- MORSEN:1ヶ月で約170円
PlantsNEXLIGHTの公式発表による消費電力は10.5Wですが、実際に測ってみたところ12Wでしたので、アマテラス10Wと比べる少し高くなりました。
※簡易的な電力量計なので誤差があるかもしれません。
総評(まとめ)
あくまでぼくの考えになりますが、今回他のライトと比べてみて思ったのは、PlantsNEXLIGHTは観葉植物に使うにはおすすめできるライトかなと思いました。
多肉植物やコーデックスなどに使うならば価格が低くてスペックが高いライトが他にもあるのでわざわざPlantsNEXLIGHTを選ぶ必要はないかなと思いました。
ただ一方でそういったハイスペックなライトは観葉植物には光が強すぎるので、PlantsNEXLIGHTの方が使い勝手が良いと思います。
観葉植物にはMORSENさんのライトもおすすめですが、MORSENさんのライトよりはスペックが上なので、どんな植物を育てるのかをまず考えて、ご自身にあったライトを選んでいただければと思います。
ただまだ実際に使ってみた訳ではなく、実際に使ってなければ分からないことも多いので、ぼく自身使ってみてまた使用レビューなどしていきたいと思います。
では今回はこれで以上になります。
他にもLED関連の記事はいくつかありますので、合わせてご覧いただけると嬉しいです。