この記事ではアガベを水苔や水耕栽培で発根管理を行った場合、発根後にどのタイミングで土に植えれば良いのか?について解説します。
この記事の内容は動画でもご紹介しております。
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アガベを水苔・水耕栽培で発根させた場合の植え付けのタイミング
当店では水耕や水苔で発根管理した場合、根が出たらなるべく早い段階で植え付けています。
理由は以下の3つです。
- 下葉が腐る可能性があるため
- 株が徒長しやすくなるため
- 土耕栽培の根とは性質が異なるため
になります。
それぞれ簡単にご説明します。
下葉が腐る可能性があるため
水耕や水苔栽培の場合、当然株元を水に漬ける必要が出てきます。
その際下葉の付け根も浸かっていると腐ってしまう可能性があります。
またそうそうないですが、切り口をしっかりと乾燥させていないと切り口から腐っていき最悪株自体がダメになってしまう可能性もあります。
丈夫でそう簡単には枯れることのアガベですが、失敗が多いのはやはり多肉植物である以上蒸れなど水が原因でダメになるケースです。
以前私も根が全然出ないので長期間水に浸けていたことがありますが、根本が腐ってしまった経験があります。
自生地をイメージしていただければお分かりいただけるとは思いますが、自生地で長期間水に浸かっていることなど普通ないので、イレギュラーなことをしている以上、発根は出来るだけ早く植え付ける方が無難かと思います。
株が徒長しやすくなるため
根が出てからももっと根を伸ばそうと長期間放置していると水を吸いすぎて徒長する可能性も出てきます。
せっかく手に入れた株がカッコ悪くならないようにするということも理由の一つです。
土耕栽培の根とは性質が異なるため
最後に根の性質の問題です。
根は基本的に土壌の環境に合わせて異なる成長をします。
つまり土耕、水耕、水苔ではそれぞれ根の性質が異なるということです。
当前、最終的に土で管理するのであればその土壌に適した根を出すのが1番です。
例えばですが、これもイメージしていただくとお分かりいただけると思いますが、水耕や水苔の場合水分の吸収が容易です。
一方土耕の場合は、水耕や水苔と異なり水を吸うのは容易ではないので、根毛を出すなどして根の表面積を広げ、水分を効率よく吸収できるように努力します。
簡単に言えば、甘っちょろい環境で育ってきた水耕や水苔の根は過酷な土の中では適応しづらいので、その根を伸ばすよりは、発根したらできるだけ早く土に植え、土に適した根を伸ばした方が良いということです。
発根後の管理方法
とはいえ私もせっかく水耕や水苔栽培でせっかく出た根を土に植えてダメにしてしまうのは嫌なので、気をつけていることを共有しておきます。
まず発根を確認したら、すぐにとは言ったもののちょっと様子を見て根がしっかりと伸びているかを確認します。
何センチというのは難しいですが、しっかりと伸びている元気な根かどうかを確認することを大事にしています。
そして問題なければ土に植え付け、1週間くらいは腰水管理にして根を徐々に土環境に慣らす期間を設けるようにしています。
腰水管理も長期間おこなっているとカビが発生したり蒸れで株が痛んだり、また根の性質が変わってしまっては本末転倒なので、長い期間は行いません。
水から上げたら、今度は土の表面が乾いたら水を与え、少し水やりのサイクルを多めしています。
このように水や水苔で生えた根を土耕に徐々に慣らしていき、このように株を触ってみてグラつきがなくなればり根が回ったと考えられるので、そこから通常管理に戻すようにしています。
ただもちろん状況に応じてやり方は変えていますので、参考程度にしてください。
まとめ
今回の内容をまとめると、
発根後は根の成長を確認したら早めに植え付ける
その理由は…
- 下葉が腐る可能性があるため
- 株が徒長しやすくなるため
- 土耕栽培の根とは性質が異なるため
になります。
では今回はこれで以上です。