今回は共にBARRELから発売されている植物育成用LEDライトの「AMATERAS LED20W」と「TSUKUYOMI LED20W」の比較レビューを行いたいと思います。
どちらも基本性能が高く、似通った商品なのでどちらを購入すべきか悩む方も多いかと思います。
そこでスペックやサイズ、光の見え方などを比較してご紹介しますので、どちらを買うかお悩みの方の参考になると嬉しいです。
個人的見解になりますが、結論から言うとボディーカラーと色温度、そして寿命で決めれば良いと思っています。
その理由も交えつつ解説していきます。
AMATERAS(アマテラス)・TSUKUYOMI(ツクヨミ)とは
冒頭でもお伝えしたように、AMATERAS(アマテラス)とTSUKUYOMI(ツクヨミ)は株式会社BARRELから発売されている植物育成用LEDライトです。
植物好きな方であれば一度は耳にしたことがあるであろう、植物育成のスペシャリストkumanomi(@kumanomi360)さんの監修のもと誕生した商品です。
先に、太陽光を意識したAMATERAS(アマテラス)が発売され、2021年6月に月明かりをイメージしたTSUKUYOMI(ツクヨミ)がリリースされました。
どちらもRa96以上と高い演色性を誇り、また太陽光に近い波長を発光します。
この2つのLEDライトの誕生で太陽光の入りにくい環境でも植物の育成が可能になりました。
演色(Ra)とは
照明で物体を照らすときに、自然光が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す指標
またデザイン性も高く、インテリアアイテムとしても活躍する今までの植物育成用ライトの常識を覆したと言っても過言ではないと思っています。
ではそれぞれを細かく比較してみていきましょう。
サイズ・カラー・価格比較
AMATERAS(アマテラス)20W | TSUKUYOMI(ツクヨミ)20W |
【 口金 】 E26 | 【 口金 】 E26 |
【 全長 】 14cm | 【 全長 】 14cm |
【 外形 】 12cm | 【 外形 】 12cm |
【 質量 】 350g | 【 質量 】 350g |
【ボディーカラー】 ブラック | 【ボディーカラー】 ホワイト |
【価格】13,600円 | 【価格】13,600円 |
【1ヶ月の電気代】200円 | 【1ヶ月の電気代】200円 |
重さ含めサイズ、そして価格は全く一緒です。
電気代(1日12時間照射×31日、1kWh単価27円で計算の場合)まで一緒です。
ただし、AMATERAS(アマテラス)に限り、ひと回り小さい10Wタイプも販売されています。
AMATERAS(アマテラス)10W |
【 全長 】 10cm |
【 外形 】 8.6cm |
【 質量 】 295g |
【ボディーカラー】ブラック |
【価格】9,900円 |
【1ヶ月の電気代】100円 |
20Wタイプで比較した場合、この後スペックについてお話ししますが、結論から言ってしまうと、そこまで差はないのでブラックかホワイトどちらがご自宅のインテリアに馴染むかで選んでしまってても良いかと思います。
実際ぼくはブラックカラーが好みだったので、AMATERAS(アマテラス)で統一しています。
スペック比較
AMATERAS20W | TSUKUYOMI20W | |
消費電力 | 20W | 20W |
定格寿命(h) | 30000時間 | 20000時間 |
色温度 | 約5900K | 約4000K ~5000K |
演色評価指数 | Ra97 | Ra97 |
照度 | 18050lx | 21690lx |
Lumen | 2098lm | 2098lm |
PPFD | 406μmol m-2 s-1 | 507μmol m-2 s-1 |
※照度、PPFD(照射距離40cmの場合)
スペックを単純に見ればスペックはTSUKUYOMI(ツクヨミ)に軍配が上がるかなと思います。
とは言え、一概のこの数値だけで比較するのは間違いかなとも思います。
ここでの違いは、「色温度」・「照度」・「定格寿命(h)」・「PPFD」になります。
AMATERAS(アマテラス)とTSUKUYOMI(ツクヨミ)のスペックを比較する場合に限り注目すべきは「色温度」、「定格寿命(h)」の2つかなと思います。
照度は置き場所を決める際には便利ですが、こと植物の育成(光環境)においては適切な単位ではないと言われています。
参考文献:植物生産における光に関連した単位
照度は人間の視覚を基準にした明るさを表す単位なので、単に明るいからと言って植物に適しているとは言えないからです。
つまりは、単純にTSUKUYOMI(ツクヨミ)の方がAMATERAS(アマテラス)より明るいので良いとは言えないと言うことです。
光合成に関連する光環境を表現する適切な単位としては、PPFD(光量子束密度)だと言われています。
PPFDとは光量子束密度のことで、可視光スペクトルにおいて、1秒あたり1平方メートルの対象範囲に注ぐ光子の数を示す値になります。
そのPPFDにも差がありますが、AMATERAS(アマテラス)とTSUKUYOMI(ツクヨミ)どちらも最適化されているという記述があるのみとなっています。
どちらの数値がより適しているのかが不明なため、どちらが優れているとは一概には言えません。
※植物によっても最適なPPFDが異なると思われます。
参考文献:植物育成におけるLEDの一般動向
また、気になるのが光の波長です。
植物の光合成に重要な波長は第一に赤色の600~700nm(ナノメートル)と第二に青色の400~500nmと言われています。
- 赤色:茎を伸ばす・面積を広げるなど植物の伸長に有効な波長
- 青色:葉を厚くする・葉を太くするなど形態形成に有効な波長
波長もAMATERAS(アマテラス)とTSUKUYOMI(ツクヨミ)どちらも適切化されているという記述のみで、スペクトルが不明なので実際のところは分かりません。
ただ、実際に分光器を使ってスペクトルを調べているゆるぷさんの記事「AMATERAS LED 20WとTSUKUYOMI LED 20Wの比較」を参考にさせていただくと、TSUKUYOMI(ツクヨミ)の方が赤色の量が多く、植物の育成に良い波長をしていそうです。
ただ、僕自身AMATERAS(アマテラス)を1年程アクアリウムと陸上植物に使用していますが、(今の所)問題なく育てられているので植物育成用ライトとして問題ないと思っています。
こうなってくると公表されているスペックの中で比較できるのが「色温度」と「寿命」になってくるのかなと思います。
ちなみに、AMATERAS 10Wのスペックは以下になります。
AMATERAS 10W | |
消費電力 | 10W |
定格寿命(h) | 20000時間 |
色温度 | 約5900K |
演色評価指数 | Ra97 |
照度 | 13580lx |
Lumen | 914lm |
PPFD | 287μmol m-2 s-1 |
色温度
一般的に色温度が低いと赤っぽいオレンジがかった暖色系の光となり、色温度が高くなると、日中の太陽光のような白っぽい光となります。
AMATERAS(アマテラス) | TSUKUYOMI(ツクヨミ) | |
色温度 | 約5900K | 約4000K ~5000K |
この数値からいくと、AMATERAS(アマテラス)の方がTSUKUYOMI(ツクヨミ)に比べて白っぽい光になります。
では実際に見比べてみましょう。
これは好みになってくるとは思いますが、やはりAMATERASの方が日中の光のように青っぽく、TSUKUYOMIの方が夕焼けのような暖かみのある色合いになっています。
定格寿命(h)
AMATERAS20W | TSUKUYOMI20W | |
定格寿命(h) | 30000時間 | 20000時間 |
寿命に関して言えばAMATERAS20Wに軍配が上がります。
これはスペック的にTSUKUYOMIの方が上回っているので仕方のないことかなと思います。
スペックを取るか、寿命を取るかこれも1つの判断の基準になるのではないでしょうか。
まとめ
冒頭でもお伝えしたように結局はボディーカラーと色温度、そして寿命で判断すれば良いかなと思います。
個人的にはブラックボディーでTSUKUYOMI(ツクヨミ)が欲しいと感じました。
- サイズ・価格は変わらない
- スペックは多少TSUKUYOMI(ツクヨミ)が優る
- 照度の差はそこまで気にならない
- 色温度はAMATERAS(アマテラス)が白色系に対し、TSUKUYOMI(ツクヨミ)は暖色系
- 寿命はAMATERAS(アマテラス)の方が長い