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【アガベ】子株の頃の水やり、光、風について|成長しない場合にチェックすべきこと

本記事ではアガベの子株の育成方法についてELBAZ FARMのやり方を共有させていただきたいと思います。

アガベの育成方法と言うと…

  • たくさん光に当てて
  • 水やりは厳しく
  • 風を送ろう

というのが一般的だと思います。

中株や大株の場合は状態の維持、またより引き締まった株にするためにそのやり方問題ありません。

ただ、子株に関しては中株や大株と同様の管理をしていると大きくなるまでにとても時間がかかってしまいます。

そのためELBAZ FARMでは子株に関しては別の管理を行っています。

子株の育成で当店が1番大事にしているのはまずは「大きくさせること」です。

今回のテーマは「厳しく育てる」という意識を捨てて、逆に「甘やかして育てよう」がポイントです。

今回お話しすることは環境によっても違いますし、あくまでELBAZ FARMのやり方、また私もまだまだ勉強中ですので参考程度にお聞きいただけますと幸いです。

この記事の内容は動画でもご紹介しております。

子株の頃の水やりについて

冒頭でもお話ししましたが、アガベの育成と聞くと水やりは厳しくと考える方が多いと思います。

そのこと自体に間違いはなく、水が多いとその分根が多く水分を吸い上げ葉に水分が溜まり、光をしっかりと与えても徒長しやすくなってしまうからです。

特にチタノタは引き締まったボール状の姿が美しいとされることが多いので水やりは特に気をつけたい点です。

ただ子株の場合はどうでしょうか?

まだ葉も少なく、根も貧弱でこれから大きく成長するという時に水がないと成長できません。

アガベは根が展開すればその分葉もよく動きます。

つまり子株を早く大きく成長させるにはまず根を多く展開させることがポイントになります。

そのため、極端な言い方ですが子株の時は水やりによる徒長をあまり気にせず、通常よりも多く水を与えてガンガン根を回して成長させることが大事になってきます。

具体的な与え方を言えば当店では発根後も根がある程度回るまでは土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えています。

土の乾き方はそれぞれの環境によって異なりますが、ペースで言うと1日、2日一回というハイペースです。

余談になりますが、水やりは頻繁に…ということもあり、最近は子株の育成時は腰水で管理する方も増えているそうです。

(当店ではより自然環境に近い栽培を目指しておりますので、腰水は基本的に行なっていません)

どのタイミングで通常管理に戻すかは人それぞれですが、当店では株が安定し葉が展開し始めるまではそのような管理を続けています。

また当店では発根管理は土耕栽培でやることが多いので、発根管理している時からずっと大量の水を与え続けているということになります。

そんなのアガベ育成のセオリーではないと思われると思いますが、こんな感じで子株の頃はとにかく甘やかしています。

子株がなかなか成長しないという方は騙されたと思ってまずは水やりの回数を見直してみてください。

ポイントは徒長させるくらいの勢いでやることかなと思います。

子株の頃の光に関して

光に関してもアガベの育成で一般的なのが徒長させず引き締まった株にするために強光をガンガン当てるということだと思います。

ただこれも子株の頃はあまりおすすめしません。

あくまで私の考えですが、根がまだしっかりと張っていない状態、葉が少ない状態での強光は体力を奪うだけかなと思いますので直射日光や育成ライトの強い光を当てないようにしています。

とはいえ、成長に光は当然必要なので発根後は光の当たる場所に移し、管理しています。

ELBAZ FARMの環境でいえば室内管理がメインですので、育成ライトの柔らかい光が当たる場所で管理しています。

具体的に言えばそもそも育成ライトの光をそこまで強くしていないということもありますが、3万ルクス程度の光が当たる場所で水を多めに与え管理しています。

ある程度成長してきたら、水やりの回数を徐々に減らしていき徐々に光も強くしていっています。

子株の頃の風通しについて

アガベの育成で大事なのが、光と水に加えて風です。

風通しも重要な要素ですが、中株と大株に期待する効果がかえって子株の成長を抑制することになりかねないこともありますのでお話しいたします。

これは何度もお伝えしていることなので毎回申し訳ないのですが、風が必要な理由は主に

  • 徒長を避けるため
  • 熱を下げるため
  • 乾燥させるため
  • 生長を促すため

の4つになります。

この中で子株の育成時に気をつけたいのが、徒長を避けるために風を直接当てることです。

いつもだと株に直接風を当てて、ストレスを与えて徒長を避けようとお伝えしていると思います。

風が徒長を抑える仕組みというのを簡単に言うと、植物に風による接触(ストレス)与えて免疫システムを活性化させ、本来成長に使うはずのエネルギーを消費させることにより無駄な成長を抑制するという仕組みです。

そして伸長成長(背丈が伸びる縦方向への成長)を抑制し、肥大成長(株が太くなるなどの横方向への成長)促す効果があると言われ短葉で低重心の株にするには風は必要になります。

ただこれはすでに整った中株や大株には有効ですが、成長させたい株に関しては逆効果ではないでしょうか。

そのため子株に対してはELBAZ FARMでは直接強い風を送る(当てる)ということはしていません。

ただ、余計な湿度を飛ばすためにも植物が呼吸をするためにも風通しは必要ですので、株に直接風を当てるということよりも風を循環させるということを意識すると良いのではと考えています。

まとめ

今回は子株の育成についてELBAZ FARMなりのやり方をお話しさせていただきました。

人それぞれやり方は異なると思いますが、子株の育成で大事なのはまずは成長させると言うことは共通していると思います。

ボール状に仕立てたり、引き締まった株にするなどはある程度成長してからでも遅くはないので子株の頃はガンガン成長させることを意識すると良いと思います。