「チタノタの鋸歯を大きく厳つく成長させるにはどうすれば良いですか?」という質問をいただきました。
そこで今回は私なりに鋸歯を大きくするために特に大事だなと思っていることについてお話しいたします。
結論からお伝えしておくと大事だと思う3つの要素は以下になります。
- 光に長時間当てること
- 風をしっかりと当てること
- より一層乾きやすい土を使うこと
もちろん他にも大事なことはあると思いますが、この3点を意識して育てた結果出てくる鋸歯が良い具合に変化していったように思います。
そこで今回は私がなぜそう思うのかを交えつつ、この3点についてお話しいたします。
この記事の内容は動画でもご紹介しております。
では今回もみていきましょう。
鋸歯を大きくする要素① 長時間光に当てること
まず第一に光に長時間当てることです。
ゴリゴリに強い光を当てなくても良いので何より安定して長い時間光を供給することが大事かと思います。
たとえば画像の白鯨は私が管理し始めてから1年ちょっとになります。
そして育成ライトを使って5万ルクス程度の光を12時間毎日浴びせてきました。
太陽光と比べれば光の強さは半分程度と弱いものの、天候の変化に左右されず365日安定して光をたっぷりと浴びていたことになります。
そうしたところ、入荷時の姿と比べると鋸歯が結構大きく成長しました。
反応が出てきたのは3ヶ月目くらいからで、出てくる葉の鋸歯が明らかに以前のひょろっとしたちょっと貧弱な鋸歯とは異なり、荒々しくなっていったと思います。
そこから新陳代謝を繰り返し、厳つい鋸歯をまとった新しい葉が展開するにつれて全体的に荒々しい棘をまとった株になっていきました。
屋外・室内管理どちらも試している私からすると、やはり屋外の自然の中で育った株の方が健康的に育っていく場合が多いので、LED管理を進めるわけではありません。
ただ、鋸歯を大きくということにフォーカスすると安定的に光を供給できるLEDの方が作り込みやすいかなと思います。
冬場の光管理について
また光に関して大事だなと思うことがもう一つあります。
それは冬場の管理です。
室内管理でそのまま成長を続けさせるという方には関係ありませんが、休眠させる場合いかにその間もしっかりと光を当てられるかがとても大事だと思います。
休眠状態とはいえ、アガベは完全に眠っているわけではなく次の成長シーズンに向けてエネルギーを蓄えている時期です。
この時期に出来るだけ長く光に当てられると翌シーズン展開する葉は鋸歯が際立つ短葉で肉厚の葉になります。
逆に日照不足だと貧弱な葉が出てきて、弱々しい株になってしまいます。
この解決策として1番簡単なのはやはり冬場は特にLEDを使って光を供給することだと思います。
もしそれがダメならば、太陽光が当たる室内の1番明るい場所に置き、暖かい日は日光浴させるなどできる限り日照時間を確保することかなと思います。
とにかく一年を通してしっかりと光を浴びせることが鋸歯を大きくするためにまず何より大事なことだと思います。
風をしっかりと当てること
続いて大事なのが風を送ることだ思います。
風が鋸歯を大きくするわけではありませんが、先ほども少し触れたように短葉の葉の方が鋸歯がよく際立ちます。
そして短葉の葉にするには風を当てることが大事になります。
風を株に当てストレスを与えることで、植物を太らせる効果を期待できます。
ストレスを与えることで伸長成長、つまり背丈が伸びる縦方向への成長を抑制し、肥大成長つまり株が太くなるなどの横方向への成長を促す効果があると言われています。
このことを接触形態形成(thigmomorphogenesis)と呼びます。
簡単に言うと、外部からの接触(ストレス)を受けると、植物は攻撃されていると勘違いし、免疫システムが活性化し、本来成長に使うはずのエネルギーも消費してしまい成長が抑制されると言った仕組みです。
このことから低重心の株にしたいという方も風を意識すると良いのではと思っています。
とはいえ、強い風を当てれば良いというわけではありません。
大事なのはやはり光と水とのバランスが大事なのでそれに合った風の強さを調整し、その風を株に当てることを意識することだと思います。
より一層乾きやすい土を使うこと
チタノタは特に葉に水分を溜めやすく徒長しやすいです。
水が多いとせっかく長時間光を浴びせて、しっかりと風を送っていても伸びてしまい、目指す株姿から離れていってしまいます。
そのためより一層メリハリのある水やりが大事になるので、いつも使っている土に軽石を気持ち多めに混ぜるなどしてチタノタは特に乾きやすい土を使うと良いかと思います。
室内管理の場合は特に乾くのが遅い(環境による)ので、意識してブレンドすると良いのではないでしょうか。
まとめ
今回はご質問いただいたチタノタの鋸歯を大きくする方法について私なりの考えを共有させていただきました。
冒頭でもお伝えしたようにもちろん他にも大事なことがあると思いますので、ひとつの参考としてお聞きいただけますと幸いです。