多肉植物

【植物育成LEDライト】植物ごとの目安となる照射距離を測る方法を解説

本記事では植物育成LEDライトを使用した場合の照射距離の目安となる距離を算出する方法をご紹介します。

植物育成LEDライトを導入したは良いものの、どの距離から当たれてば良いのか分からないですよね。

そんな時に使える距離の算出方法になります。

もちろん最終的には実際に使ってみて、ご自身で適切な位置を見つけていくしかないのですが、今回の方法を知っておくと、「とりあえずここから当ててみよう!」という目安が見つかると思います。

植物に必要な明るさを知るにはPPFDというものを知る必要があるので、まずPPFDについてご説明します。

その後太陽の明るさを知り、植物ごとの必要な明るさを出し、距離を考えていきます。

この動画がライトを買ってみたは良いけれど、ちゃんと効果的に使えているのか気になるという方の参考になると嬉しいです。

※今回使用する計算は推定値を使うので正確なものではありません。

あくまで参考程度にお聞きください。

この記事の内容は動画でもご紹介しています。

距離を算出する前にしっておくこと

光合成に必要な明るさを考えた場合、ルクス(照度)やルーメン(光束)は当てにならないということはご存知でしょうか?

照度などは人の目から見た明るさの単位なので、私たちが感じる明るさが植物も同様に明るく感じるということにはなりません。

そのため植物育成LEDライトを選ぶ場合、単純に照度や光束が高いものを選べば良い良いという事にもなりません。

こと光合成を考えた場合に必要な明るさの単位として用いるのが、

光合成光量子束密度 (Photosynthetic Photon Flex Density : PPFD)[mol/ m2・s]です。

この単位は、植物が光合成に利用する波長の光を、一定時間内、一定面積内に受ける光の粒(光子)の量として表しています。

PPFDについてここでは細かくはご説明しませんが、お持ちのLEDライトのPPFD値を確認し、植物それぞれがどれくらいのPPFDを必要とするのかで大体の距離がわかる様になります。

植物育成LEDライトと謳っているライトであれば必ずPPFD値が記載されているはずです。

たとえば、最近人気の植物育成LEDライトのPPFD値は、

となっています。

ここに記載している数値はどれも公式サイト書いてある40センチの距離から照射した場合の数値になりますが、

  • ハスで1,224
  • ライトスタッフVAで650
  • アマテラスで406
  • ツクヨミで507

ちなみにAmazonで格安で手に入るモーセンは120程度です。

これも単に高ければ良いというわけではなく、どの様な植物を育てたいかによって選ぶべきLEDは変わってきます。

また当然、照射距離を変えれば数値は変動します。

ではこの数値をもとにして植物ごとに必要な明るさを求めていきたいと思います。

太陽の明るさ

お持ちのライトのPPFDが分かったところで、今度は太陽光の明るさをみていきたいと思います。

太陽光の明るさがわかれば、植物が日向・日陰・半日陰などどこで自生しているのかを調べれば植物に必要なPPFDが見えてくるはずです。

あくまで一般的に言われている事になりますが、

  • 太陽の直射日光のPPFDは約 2000 μmol/m2・s程度
  • 曇りの日のPPFDは約 50 〜 100 μmol/m2・s程度

となっています。

これをもとにすると半日陰は一般的に直射日光の遮光率1/3〜1/2程度と言われているので、

半日陰は300 μmol/m2・s〜1000 μmol/m2・s程度、日陰は曇りの日と同程度と考えると50μmol/m2・s〜100 μmol/m2・s程度になるのかなと思います。

※あくまでざっくり計算です

これをもとにすればご自身がLEDライトで育てたいと思いっている植物がどんな場所で自生している植物なのかを知れば必要な明るさが分かるのではないでしょうか?

lx(ルクス)からPPFDを算出する方法

大体どのメーカーのライトも40センチの距離からのPPFD値しか記載していいので、植物に必要なPPFD値が分かってもどの距離から当てればよいのかまだ分かりません。

PPFDを計測できる測定器をお持ちであれば良いですが、そんなもの持っている人はそういないと思います。

そこで一つの方法として便利なのが、照度からPPFDを割り出す方法です。

照度は照度計が安く手に入ったり、アプリで計測できたりするのでPPFDよりは身近だと思います。

そういった測定器を使って、まずルクスを測り、そこからPPFDを割り出していけば植物に大体目安となる照射位置が見えてきます。

照度からPPFDを割り出すには、ぼくがよく参考にさせていただいている光合成の森というサイトに光源の種類(ここではLED)を特定し、照度からPPFDを割り出す計算式が載っています。

ただ、肝心のLEDの場合は換算係数が書かれていません。

ぼくの持っているライトから換算係数を割り出すと、

  • アマテラスとツクヨミで40程度
  • ハス・ライトスタッフVAで60程度、
  • モーセンが70程度

となりました。

※ざっくり計算なので計算する際は自己責任でお願いします。

照度を測って、換算係数で割っていけばどのくらいの位置から当てれば良いのかが見えてくると思います。

まとめ

今回は植物育成LEDライトを使用した場合の照射距離の目安となる距離を算出する方法をご紹介しました。

あくまでざっくりとした計算になるので、参考程度にしてください。

目安を見つけたら実際に当ててみて日々植物の状態を観察してベストな位置を見つけてください。