日があまり当たらない暗い場所でも育つ性質を「耐陰性」と呼びます。
耐陰性がある植物は基本的に樹木の下で木漏れ日を浴びて自生しているような植物なので、強い日差しが苦手です。
そのため、室内でも半日陰~日陰のような直接日の当たらない場所を好みます。
ちなみに、ここでお話ししている半日陰・日陰とは…
- 半日陰:窓から少し離れたレースのカーテン越しの日が当たるような場所
- 日陰:直接日が当たらないけれど、電気を付けなくても本の字が読める程度の明るさの場所
のことです。
今日はその中でも日陰でも育つ観葉植物を選びご紹介していきます。
ご紹介する観葉植物は、
- アジアンタム
- アスプレニウム
- アンスリウム
- スパティフィラム
- セローム
- ポトス
- ホヤ
- ペペロミア
- サンスベリア
- シュガーバイン
- パキラ
- カポック(シェフレラ)
- テーブルヤシ
です。
- うちは日当たりが悪いからといって観葉植物を迎えることを諦めてしまっている方
- あまり日の当たらない部屋でも置ける観葉植物を知りたいという方
では、それではそれぞれの植物をご紹介します。
Contents
アジアンタム
科名・属名 | イノモトソウ科・ホウライシダ属 |
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原産地 | 熱帯アメリカ |
冬越し温度 | 5℃以上 |
置き場所 | 半日陰が最適 |
耐陰性 | ◯ |
アジアンタムは繊細で可愛らしい葉を楽しめる観葉植物です。
自生地では熱帯アメリカなどの湿潤な熱帯雨林の中でジャングルの木漏れ日を浴びて過ごしています。
そのため、レースのカーテン越しの日が当たる場所が最も適しています。
そんなアジアンタムは比較的耐陰性も高く、日の当たらない暗い部屋でも育てることができます。
ただ長期間暗い場所に置いておくと間延びして貧弱な株になるので、定期的に明るい場所に移してあげましょう。
加湿を好む植物なので、水切れに注意して霧吹きなどでこまめに水を与えましょう。
アスプレニウム
科名・属名 | チャセンシダ科・チャセンシダ属 |
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原産地 | 世界中に分布 |
冬越し温度 | 5℃以上 |
置き場所 | 半日陰が最適 |
耐陰性 | ◎ |
アスプレニウムはシダの仲間です。
世界中に自生しており、日本にもオオタニワタリなどが自生しています。
自生地では樹木や岩などに張り付くものいれば、地に根を張り大株に生長するものもいます。
そんなアスプレニウムはアジアンタムと同様にジャングルの樹木の下で木漏れ日を浴びて自生しているので、室内では半日陰の場所が適しています。
耐陰性は高く、北向きの日陰の部屋でも育ちます。
アンスリウム
科名・属名 | サトイモ科・アンスリウム属 |
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原産地 | 熱帯アメリカ |
冬越し温度 | 12℃以上 |
置き場所 | 半日陰 |
耐陰性 | △ |
アンスリウムは美しい花を楽しめる品種です。
実際の花の部分はこの中央の部分で、花のように見えるのは「苞」と呼ばれる葉が変形したものです。
この苞が、仏像の後光のように見えることから「仏炎苞」と呼ばれています。
そんなアンスリウムは自生地ではやや明るい場所で自生しています。
スパティフィラム
科名・属名 | サトイモ科・スパティフィラム属 |
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原産地 | 熱帯アメリカ |
冬越し温度 | 8〜10℃ |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | △ |
最も美しい花を咲かせる観葉植物として有名なのがスパティフィラムです。
アンスリウムと同様に花の部分は中央のこの部分で、それを囲むのは苞です。
そんなスパティフィラムは基本的には日向から半日陰が適していますが、耐陰性もあり暗い部屋でも明るい蛍光灯の下であれば育ちます。
ただ、長期間くらい部屋に置いておくと、葉ばかりが茂り、花が咲かなくなります。
セローム
科名・属名 | サトイモ科・フィロデンドロン属 |
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原産地 | 熱帯アメリカ・熱帯アジア |
冬越し温度 | 5℃以上 |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | ◯ |
セロームはブラジル原産の観葉植物で、茎が太くなって立ち上がる姿が面白い植物です。
モンステラのように葉に切れ込みが入り、大きく生長します。
そんなセロームは自生地では、森の中の日陰に自生しており、その分耐陰性に優れています。
ポトス
科名・属名 | サトイモ科・ハブカズラ属 |
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原産地 | 熱帯アジア・ソロモン諸島・太平洋諸島 |
冬越し温度 | 7〜10℃以上 |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | △ |
ポトスはこのチャンネルでも度々ご紹介している観葉植物の定番中の定番の植物です。
そんなポトスはとても丈夫で栽培がとても容易な植物です。
基本的には日向から半日陰の場所が適していますが、日陰でも育ちます。
ただ、長期間暗い部屋におき光線が不足すると斑が消えてしまうことがあるので、定期的に明るい場所に移してあげましょう。
ホヤ
科名・属名 | ガガイモ科・ホヤ属 |
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原産地 | 熱帯アジア・オーストラリア |
冬越し温度 | 10℃以上 |
置き場所 | 半日陰が最適 |
耐陰性 | ◯ |
蝋細工のような美しい花を咲かせることで人気なのがホヤです。
品種も豊富で、サクラランの名前で親しまれるこちらのカルノーサやハートの形をしたケリイが人気です。
そんなホヤは多肉質な葉に水分を蓄えることができるので、水やりも少なくすみ手間のかからない植物です。
また強い日差しが苦手で日陰でも育ちます。
ただ、暗い部屋で育てているとホヤ特有の花が咲かなくなります。
葉だけでも十分に鑑賞価値はあるので、割り切って葉を楽しむのもありです。
ペペロミア
科名・属名 | コショウ科・サダソウ属 |
---|---|
原産地 | 熱帯地域全般 |
冬越し温度 | 10℃以上 |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | ◯ |
ペペロミアは品種が多く、茎立ちするタイプもいれば株立ちするタイプもあり、好みの品種を見つけるのも面白い植物です。
そんなペペロミアは、湿潤な森の中で薄日を浴びて自生している植物です。
強い日差しに弱く、すぐに葉焼けを起こします。
半日陰の場所が最も適していますが、比較的耐陰性があるので日陰でも育ちます。
サンスベリア
科名・属名 | リュウゼツラン科・サンスベリア属 |
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原産地 | アフリカ・熱帯アジア・亜熱帯 |
冬越し温度 | 10℃以上 |
置き場所 | 日向が最適 |
耐陰性 | △ |
サンスベリアは空気清浄効果が高く、エコプラントとして有名です。
夜間帯も二酸化炭素を取り込んで酸素を出すので、安眠効果があります。
そんなサンスベリアは耐陰性があるので日陰でも育ちます。
ただサンスベリアも長期間暗い部屋で管理しているとツヤがなくなり貧弱な株になるので、定期的に日に当ててあげましょう。
シュガーバイン
科名・属名 | ブドウ科・パルテノキッスス属 |
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原産地 | 園芸種 |
冬越し温度 | 5℃以上 |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | △ |
シュガーバインはつる性の植物です。
分岐しながら垂れ下がるように育つので、ハンギンググリーンとしてもおすすめです。
そんなシュガーバインは、強い日差しが苦手です。
そのため室内ではレースのカーテン越しの日が当たる場所が最も適していますが比較的耐陰性もあるのであまり日の当たらない日陰でも管理できます。
極端に日当たりが悪い場所で育てると葉色が淡くなり、間延びすることがあるので、定期的に明るい場所に移してあげましょう。
パキラ
科名・属名 | キワタ科・パキラ属 |
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原産地 | メキシコ〜中南米 |
冬越し温度 | 5℃以上 |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | △ |
パキラは観葉植物の中でも人気の植物です。
卓上サイズの小さいものから、人の背丈ほどある大きなものまで様々なサイズが出回っています。
原産地では水辺付近の湿度の高い場所で自生している植物で、湿潤な環境を好みます。
そんなパキラはある程度の暗さにも耐えます。
本来は熱帯の日当たりの良い場所で自生している植物なので、長期間暗い場所に置いておくと貧弱な株になり、下葉が落ちます。
定期的に日光浴させてあげましょう。
カポック(シェフレラ)
科名・属名 | ウコギ科・シェフレラ属 |
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原産地 | 中国南部〜台湾 |
冬越し温度 | 5℃以上 |
置き場所 | 日向〜半日陰が最適 |
耐陰性 | ◎ |
シェフレラはやや多肉質で楕円形の葉が手を広げたように広がるのが特徴の植物です。
丈夫で生長が早い植物なので初心者の方でも安心して育てられます。
そんなシェフレラは耐陰性が特に高い植物です。
あまり日の当たらない玄関や北向きの部屋などの日陰でも育ちます。
ある程度日に当てた方が引き締まったシェフレラ本来の魅力を楽しめます。
テーブルヤシ
科名・属名 | ヤシ科・カマエドレア属 |
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原産地 | 熱帯・亜熱帯地方 |
冬越し温度 | 10℃以上 |
置き場所 | 半日陰が最適 |
耐陰性 | ◯ |
テーブルヤシはその名の通り、テーブルなどの狭いスペースでも飾ることのできるヤシの仲間です。
テーブルヤシも丈夫で病気にも強く育てやすい観葉植物です。
そんなテーブルヤシは、日向を好むヤシの中でも直射日光を嫌う耐陰性のあるヤシです。
本来は半日陰程度の場所が適していますが、定期的に日光浴をしてあげれば日陰でも育ちます。
まとめ|暗い部屋でも観葉植物は飾れる!
今回はあまり日の当たらない暗い部屋でも育てられる耐陰性のある観葉植物を13種ご紹介しました。
今回ご紹介した観葉植物は、半日陰から日陰でも育てられ、そうそう枯れてしまった…なんてことにはなりません。
ただ一年中暗い部屋で育てていると次第に株姿が乱れ、徒長したり葉色が悪くなったり、本来の観葉植物の美しさを楽しめなくなります。
また一切日の当たらない場所では植物は生きてはいけません。
植物は光を浴びて光合成をおこない、成長のエネルギーに変えます。
そのため、いくら耐陰性があると言っても定期的に明るい窓辺や、ベランダなど外に出してあげることをお勧めします。
昼間の強い日差しの時間帯を避けて、弱い日差しの朝日や日が傾いている午前中に出してあげましょう。
耐陰性のある観葉植物は他にも多くありますので、またそんな植物が揃ったら別の機会にご紹介します。