アローディア・プロセラは、マダガスカルで独特の進化を遂げた固有種。
幹や枝からの伸ばす鋭い棘と小判状の鮮やかな葉が特徴の植物です。
今日はそんなアローディア・プロセラの特徴や育て方をご紹介します。
Contents
アローディア・プロセラ(亜竜木)の特徴
科名 | ディディエレア科 |
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属名 | アローディア属 |
原産地 | マダガスカル |
栽培難易度 | 普通 |
生長速度 | やや早め |
アローディアはマダガスカルの固有種であるディディエレア科に分類される植物です。
和名では「亜竜木」と呼ばれています。
原産地は、マダガスカルの南西部に位置するトゥリアラ州です。
海岸線から標高500m程度の内陸に広がる「Spiny Forest(棘の森)」と呼ばれる有棘植物が群生する乾燥地帯があり、そこにアローディアも生育しています。
自生地では大型の植物として扱われ、樹高は20mにも及び現地民の貴重な木材として使用されているそうです。
独特なシルエットと硬い表皮は過酷な環境で生き抜くために独自の進化を遂げた結果と言われています。
幹は灰白色をしており、そこに鋭い2〜3㎝程度の棘と小判型の小さな濃緑の葉をびっしりと付けます。
また新しく生えた枝からは地面に対して平行な葉を生やし、翌年は同じ箇所から垂直に生える葉を生やすという面白い習性があります。
そのため、葉の向きを見ることでどこが新しく伸びた部分なのかを確認することができます。
生長期の夏には上に向かって旺盛に枝を伸ばし分岐させながら生長していきます。
ただ、小さい株のうちは真っ直ぐな棒状に伸びるので、剪定することで分岐し複雑な樹形に作り込むことができます。
落とした枝で挿し木をすれば増やすことも容易にできます。
冬は葉を落としますが、暖かくなるとまた葉を展開します。
アローディア・プロセラ(亜竜木)の育て方
丈夫で育てやすい植物なので、現地の環境と同様に、乾燥と高い気温、そして強い陽射しを意識すれば比較的簡単に育てることができます。
育てる上でのポイントをいくつかご紹介します。
置き場所
陽の良く当たる環境で乾燥気味に管理します。
高温も直射日光にも耐えるほど丈夫な植物なので、基本的には屋外の明るい場所で管理した方が引き締まった株に生長します。
日光が不足するとヒョロヒョロとした軟弱な株になります。
生長期の夏であれば、雨ざらしにしても問題なく生長します。
ただ、寒さには弱いので気温が10度を下回るようになってきたら室内の陽当たりの良い場所に移します。
水やり
春から秋にかけては用土が乾いてからたっぷりと与えます。
夏場は生長期なので回数を少し多めにします。
寒くなってくると葉を徐々に落とし始めるので、そのタイミングで水やりの回数も減らしていきます。
冬は休眠期に入るので完全に断水します。
春になり葉が出てきたら水やりを再開しますが、急に与えると弱るので徐々に水やりの回数を増やし慣らしていきます。
肥料
生長期の夏に薄めた液体肥料を与えます。
また植え替えの際にマグアンプKなどを少量混ぜておくと大きく生長します。
ただ、元々生育旺盛な植物なので、あまり大きくしたくない場合は与えなくても問題ありません。
用土
水はけの良い土を使用します。
市販の多肉植物用の土を使えば問題ありません。
ELBAZ FARMでは、
- 赤玉土:1
- 鹿沼土:1
- くん炭:少量
- ゴールデン粒状培養土(ペレットのみ):少量
- マグアンプK:適量
の割合で混ぜています。
冬越し温度
耐寒性はあまりないので、気温が10度を下回ったら室内で管理します。
病害虫
病気・虫共に特にかかりやすいものはなく、丈夫な植物です。
稀に生長期の夏にカイガラムシが付く場合はあるので、見つけたらすぐに除去します。
増やし方
挿し木で増やすことができます。
切る場所は茎節でも茎の途中でも問題ありません。
簡単に工程を下記にまとめます。
- 15㎝以上の長さでカット(あまり短いと発根し辛い)
- 挿す部分(下から4〜5㎝程度)の葉と棘を取り除く
- 切り口にルートンなど発根促進剤を塗る
- 用土に1/3程度挿す
- 風通しの良い日陰で管理し
- 1週間後に水を与える
比較的簡単に発根するので、大きくなり過ぎた場合や徒長してしまった場合などにぜひ試してみてください。
まとめ
丈夫で育てやすい植物ですので、トゲトゲした植物がお好きな方におすすめです。
- マダガスカルの固有種
- 独自の進化を遂げた独特な樹形が魅力
- 鋭い棘と鮮やかな緑の葉が特徴
- 自生地では20mにも生長する大型種
- 強い陽射しと高温を好む
- 乾燥を好む
- 水やりは土が乾いてからたっぷりと
- 肥料はほぼ必要ない
- 病害虫のリスクも低い
- 生長はとても早い
- 挿し木で増やすことができる