多肉植物

多肉植物全般に使える土の配合例と配合手順【2021年度版】

今回は現在ELBAZ FARMで使用している多肉植物全般に使える土の配合例をご紹介します。

多肉植物と言ってもコーデックスやサボテン、アガベなど様々な種類がありますが、現在ELBAZ FARMではこの配合をベースにしてほぼ全ての多肉植物に使用しています。

多肉植物用の土やサボテン用の土など市販のものを使ってももちろん問題ありませんが、自分でブレンドを始めるとより栽培が楽しくなると思います。

尚、今回ご紹介する配合ですとかなり排水性が良く、通気性に優れた土になります。

そのため、水やりの頻度が低く、ある程度水もちを求める方には向かないかもしれません。

栽培環境や育て方によって使う土や配合比率は異なります。

そのため、今回ご紹介する配合を参考にしていただき、あとはご自身の栽培環境にあった用土に調整していただけると幸いです。

多肉植物に使用している用土

多肉植物の多くが過湿を嫌うので排水性が良くなることを意識した配合になっています。

ただ、水をあげてただ流れ出るだけでは意味がないので、ある程度保水性も持たせるようにしています。

以上のことを踏まえて使っている土は以下の通りです。

  • 硬質赤玉土
  • 硬質鹿沼土
  • ゴールデン培養土(ペレットのみ)
  • くん炭
  • ゼオライト

に加えて、

  • マグァンプK(肥料)
  • オルトラン(防虫剤)

を植え込みの際に適量混ぜています。

配合比率としては、

  • 赤玉土:1
  • 鹿沼土:1

をベースにゴールデン培養土のペレットとくん炭を少量混ぜています。

尚、大鉢(5号以上)でない限り、赤玉土・鹿沼土共に小粒を使用しています。

また、ベアルート株(抜き苗)の発根管理の際も同様の土を使用しています。

簡単にそれぞれの用土の特徴をご説明します。

赤玉土

赤玉土は関東ローム層から採取された赤土を使用した弱酸性の土です。

特徴としては、排水性・保水性に優れていることです。

一方で、土が崩れやすいという性質もあり、砕けてしまうと逆に排水性が悪くなるので、「硬質タイプ」の使用をおすすめします。

ぼくが最近使っているのは、栃木県産の赤玉土18リットルです。

硬質とは書かれていませんが、適度に固く崩れにくい良質な土です。

これを使っている理由は、土が硬すぎると生育の妨げになると言う話を聞いたからです。

まだこの土を使い始めたばかりなので実際どうなのかは分かりませんが、一度試してみようと思い使っています。

※ちょっと粒のサイズがばらけているので、ふるいにかけるのが少し面倒かもしれません。

多くのアガベ愛好家が使用しているのは、いわゆる2本線と呼ばれるあかぎ園芸の赤玉土です。

 鹿沼土

鹿沼土は栃木県の鹿沼地方で採取された酸性の土です。

赤城山が噴火した際の火山灰が風化したもので、土と呼ばれていますが、実際は軽石の仲間です。

粒子はとても粗く丸みを帯びており、保水性・排水性・通気性に優れています。

軽石の仲間なので赤玉土よりも崩れにくく、使い勝手の良い土です。

 くん炭

くん炭を混ぜることで保水性・通気性を高めることができる上に殺菌作用もあり、根ぐされ防止効果もあります。

また、くん炭はアルカリ性なので酸性の鹿沼土のpH調整を期待できます。

 ゴールデン粒状培養土(ペレットのみ)

ゴールデン粒状培養土のペレットは粒が崩れにくく通気性・排水性に優れ、栄養分も配合されています。

そのため、混ぜることで水や空気が通りやすい環境を作ることができます。

また、ベースの赤玉土と鹿沼土には無機質なので、これからご紹介するマグアンプと共に植物への栄養供給も期待できます。

ただ、そのまま使うと一緒に入っているバーミキュライトが多く混入するので、ぼくはふるいにかけて取り除いています。

ゴールデン培養土には観葉植物用やサボテン用、花・野菜用など種類がありますが、ぼくは特にこだわっていません。

その時買えるものを使用しています。

ゼオライト

ゼオライトは火山灰が海や湖の底に積もり、高い水圧などで固まった鉱物です。

多孔質構造をしており、ミクロレベルの小さな穴が空いています。

その効果としては、浄化作用、脱臭、保肥力、保水性の向上などを期待できます。

よく、根腐れ防止剤として水耕栽培などに使用されています。

 

マグアンプK

配合土の肥料としているのがマグアンプKです。

緩効性肥料なので、ゆっくりと植物に栄養を供給することができます。

多肉植物全般、急激に肥料を与えると徒長などの原因になるので、このようなゆっくりと長く効くタイプのものがおすすめです。

サイズは使いやすい中粒のものを使用しています。

なお、配合土には混ぜずに、植え替えの際にそれぞれの植物に合わせた量を入れるようにしています。

 

オルトランDX

害虫予防のためにオルトランDXを植え替えの際に入れています。

防虫剤は根が嫌うということもあるようですが、大事な植物を守るために入れるようにしています。

配合手順

手順といっても単に上記の配合比率で混ぜ合わせてだけです。

ただ、赤玉土と鹿沼土に微塵が入っていると排水性が悪くなるので、ふるいにかけて取り除きます。

また、粒のサイズがバラバラだと場所によって通気性や排水性に偏りが出てくるのでこちらもふるいにかけてサイズを均一にしています。

手順をまとめると以下になります。

  1. 粗めの網で大きな粒を取り除く
  2. 細かい網で微塵を取り除く
  3. 混ぜ合わせる

取り除いた大粒の土と微塵は捨ててしまってはもったいないので、大粒は鉢底石、微塵はタネまき用土や挿し木用土に使用しましょう。

そこまで神経質にならなくてOK

今回はELBAZ FARMで使用している配合をご紹介しましたが、多肉植物の土に限らず植物全般の配合に置いてこれを使えば問題ないというものはないと思っています。

なぜなら育てている環境で使うべき土は変わってくるからです。

ご自身で色々試してみて、植物の状態を観察してご自身の環境にあった配合を作ることが何より正解だと思います。

とはいえ、多肉植物は元々有機物の含まない厳しい環境で自生していることがほとんどです。

降水量も少ない厳しい環境下だからこそ葉や茎、そして根が肥大して水を蓄えるように進化したのです。

これを使った方が良い、あれを入れた方が良いと色々考えると思いますが、正直そこまで神経質になる必要はないというのがぼくの考えです。

一部保水性を好むタイプなどもいますが、基本的に多肉植物の土は排水性と通気性が良いものと覚えておけばOKです。

植物の栽培は楽しむのが1番です。

ぼく自身も、軽石を混ぜたりパーライトを入れてみたりなど色々試しましたが、育てて行く中でそこまで細かくする必要はないなという考えに至り、いまはこの配合で落ち着いています。

色々試して、ぜひご自身の環境にあった土をみつけてください。

まとめ

冒頭でもお伝えしたように、栽培環境や育て方によって使用する土や配合比率は異なります。

今回ご紹介した配合例を参考にしていただき、ぜひご自身の環境にあった土を作ってみてください。