本記事では植物育成LEDライトを使う際に注意したい5つのことを私の経験をもとにお話しいたします。
最近は優れたライトが多くありますので、室内でも管理が楽に出来るようになりました。
ただ、使い方を間違えると葉焼けを起こしたり、徒長させてしまったりとライトを使ったからといって必ず上手くいくというわけではありません。
そこで今回はELBAZ FARMの失敗経験から植物育成ライトを使用する際に特にこれは気をつけた方が良いと思う5つのことについてお話しさせていただきます。
この記事の内容はYouTubeでもご紹介しています。
付けっぱなしはNG
まず絶対にやってはいけないのはライトを付けっぱなしにすることです。
乾燥した厳しい環境下で自生しているアガベを含む多肉植物の多くは、一般的な植物とは光合成の仕組みが異なります。
昼間は水分の蒸発を防ぐために気孔を閉じていて、涼しい夜間帯に気孔を開き二酸化炭素を吸収し、また明るくなってから蓄えていた二酸化炭素(厳密に言えばリンゴ酸)を使って光合成をするというサイクルをしています。
この仕組みを持つ植物をCAM植物と言います。
つまり、光が当たる時間帯と光のない時間帯でそれぞれ別の動きをしているということになります。
そう考えると24時間ライトを付けっぱなしでいるとCAM植物は二酸化炭素を吸収できず逆に成長出来なくなってしまいます。
旅行などで家をあけるという場合は付けっ放しにせず、タイマーなどで管理することをおすすめします。
タイマーはアナログタイプのものであれば安く手に入りますので、普段からタイマー管理しておくととても楽なのでおすすめです。
もし急な外出でタイマーを用意出来ないという場合は1日程度であればむしろ電気を消していった方が良いです。
1日何時間ライトを付ければ良いの?ということに対しては別の記事でご紹介しておりますので、そちらをご覧いただけますと幸いです。
全てのライトで照射距離を統一しない
続いて気をつけたいのがこの距離から当てたら調子が良かったからといって、すべてのライトで照射距離を統一しないことです。
よく何センチの距離からライトを当てれば良いですか?というご質問をいただきます。
ただ、ライトによってスペックは異なるので一概にこの距離から当てれば良いとは言えませんし、栽培環境によっても当て方は変わってきます。
またどのように育てたいかにもよっても距離は変わってくると思います。
例えばアマテラスと同じ高さでハス38スペック9を使ったりすると簡単に葉焼けを起こします。
アマテラスとハスでは照度やPPFDで比べるとこんなにも差があります。
照度比較
- AMATERAS20W:18,050lx
- HASU 38 spec 9 :76,300lx
PPFD比較
- AMATERAS20W:406μmol/m2・s
- HASU 38 spec 9 :1,224μmol/m2・s
※それぞれ40cmからの距離
そのため距離の決め方に関するご質問をいただいた場合は、照度で高さを決めることをおすすめしています。
PPFDを測る光量子計などで測るとベストなのだと思いますがかなり高価なので高さの目安を決めるには照度計で十分だと思います。
簡易的なものであればすがネットで安く手に入りますので、照度を計り数値で明るさを出して調整すると失敗が少なくなります。
目安となる照射距離についても別の記事でご紹介しておりますので、そちらをご覧いたけますと幸いです。
満遍なく当てる
続いては満遍なく当てることについてお話しいたします。
最近は電球タイプの育成ライトが主流ですが、性質上照射角度はかなり狭いです。
一見植物全体に光が当たっているように見えても少し角度がズレたり、水やり後に位置がズレたりするとそれだけで明るさがガクッと下がってしまう場合があります。
そんな時もしっかりと株に光が当たっているか確認するために照度計が役立ちます。
生長点を中心にしてしっかり光が当たっているか計測してみることをおすすめします。
真上から当てる
続いては真上から当てるということです。
近くから株全体的に光が当たっていれば問題ないと思いますが、高い位置から光を斜めに当てるとそちらに向かって徒長し、株姿が乱れます。
(そもそも光が足りなければ徒長しますが…)
短葉で低重心の美しい株姿にするには真上からしっかりと光を当てた方が良いでしょう。
これはライトの数に対して株数が多くなると起こりがちなので、室内管理を進めていきたいと思っている方はライト数と株数はバランス良く揃えていくことをおすすめします。
風を送る
続いて風通しについてです。
室内に取り込んだ場合人工的に用意しないといけないのが、風通しです。
風が必要な理由は主に
- 徒長を避けるため
- 熱を下げるため
- 乾燥させるため
- 生長を促すため
の4つです。
詳しくは別の記事で解説していますので、そちらをご覧いただけますと幸いです。
植物育成ライトを使った場合特に意識したいのが熱を下げることだと思っています。
室内の暖かい環境でライトを使うと結構な熱が植物に伝わります。
その状態で強い光を当て続けるとこれまた葉焼けを起こします。
しっかりと風を送って熱を下げるためにも風通しは必要になりますので、ライトとサーキュレーターはセットと考えておいた方が良いと思います。
また株数が多くなると密になり、せっかく風を送っても行き届かないということもありますので、株ごとある程度感覚を開けて風の通り道を作ることをおすすめします。
まとめ
今回は植物育成ライトを使う際に注意したい5つのことをお話しいたしました。
この記事が室内管理のなにかの参考になると嬉しいです。